不当解雇の後の転職理由:解雇されたことを面接で伝える例文
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解雇されたことを面接で伝えるときは、「不当だった」と評価を先に言わず、「会社から解雇を告げられた」という事実、会社が示した理由、自分が改善したことや次にしたいことの順に、短く話すのが基本です。争っている最中でも、結論を断定せず、現在の状況を一言で添えれば足ります。この記事では、解雇の種類別の方針、場面別の例文、争っている最中の扱いを順に並べます。
面接では「不当解雇」と言わず、事実と理由を分けて話す
解雇が有効か無効かは、労働契約法16条が定める「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当であること」を満たしているかで判断され、最終的には裁判所などが決める事柄です。面接官は、あなたの主張が正しいかを判定する立場にありません。聞きたいのは、何があったのか、本人がどう受け止めているか、同じことが起きないかの3点です。
そこで、話を次の3つに分けます。
- 事実:いつ、どの会社から、解雇を告げられたか。
- 会社が示した理由:解雇理由証明書や通知書に書かれた内容。
- 自分の受け止め:納得していない点があっても、評価の言葉ではなく事実の違いとして述べる。
会社が示した理由と自分の認識が違うときは、「会社は〜という理由を示しました。私は〜と考えており、現在は〜の窓口に相談しています」と、主語を分けると、非難の口調になりません。解雇の理由は、労働基準法22条2項に基づき、解雇を予告された日から退職の日までの間に、書面で請求できます。書面があれば、面接で話す理由を会社の文言に合わせられるので、記憶違いが起きません。請求のしかたは「解雇理由証明書の請求方法:労基法22条の文例と受け取った後」にまとめています。
解雇の種類別:何を足して話すか
| 解雇の種類 | 面接での方針 | 足すと伝わること |
|---|---|---|
| 経営上の理由(人員削減・事業所閉鎖など) | 会社側の事情であることを事実で述べる | 在籍中の担当と成果 |
| 能力・成績を理由とされた | 会社の評価を認めるか、違う点を事実で示す | 改善のために取った行動、次の職場での生かし方 |
| 勤務態度・規律違反を理由とされた | 事実と、再発させないための具体的な行動を述べる | 変えた習慣、周囲との関係の持ち方 |
| 試用期間中の解雇 | 期間の短さを隠さず、合わなかった点を一言で述べる | 次に選ぶ仕事で確かめた点 |
| 懲戒解雇 | 事実を落とさず、反省と再発防止を述べる(詳細は別記事) | 応募先が求める確認への正直な対応 |
懲戒解雇は、普通解雇と性質が違うため、応募先からの確認も厳しくなりやすい場面です。違いと確かめ方は「懲戒解雇と言われたら:理由の確かめ方・退職金・転職への影響」で扱っています。
場面別の例文
例1(経営上の理由):「勤めていた事業所が閉鎖されることになり、全従業員が解雇の通知を受けました。私は在籍中、受注管理を3年間担当していたので、その経験を御社の物流管理に生かしたいと考えています。」
例2(能力を理由とされた):「会社から、営業成績が基準に届かないことを理由に解雇を告げられました。数字が伸びなかったのは事実です。振り返ると、既存客への訪問が少なく、新規ばかりを追っていたことが原因でした。その反省から、次の職場では既存客の管理を軸にした仕事を探しています。」
例3(理由に納得していないが、争いは前面に出さない):「会社からは勤務態度を理由に解雇を告げられました。事実関係の一部について私の認識と違う点があり、現在は公的な窓口に相談しています。今日は、これまで培った経理の経験を生かして働きたいという点をお伝えしたいと思います。」
深掘りされたときの答えも、事実だけで組み立てておきます。
「解雇の理由に心当たりはありますか。」→「会社が示した理由は〜です。当時の私に足りなかった点は〜だと考えています。」
「前の会社に問い合わせても大丈夫ですか。」→「問題ありません。ただ、会社側の説明と私の認識に違いがある点があるとお伝えしておきます。」
前職への照会がどう扱われるかは「転職先の前職調査はある?前の会社への問い合わせとリファレンスチェック」で整理しています。
争っている最中の扱い:言ってよいこと、相談先に確かめること
労働局のあっせんや弁護士への依頼、労働審判などで解雇の効力を争っている最中の人は、面接で「争っている」ことをどこまで話すかに迷います。一つの考え方として、手続きの詳しい中身は話さず、「相談中・手続き中」であることと、入社した場合の就労に支障がないことだけを伝える方法があります。
注意したいのは、復職を求めるのか金銭での解決を目指すのかで、転職の進め方が変わる点です。元の職場への復職を求める場合、他社への入社と両立するのかを、依頼している弁護士や相談先に確認する必要があります。選ぶための材料は「不当解雇で復職を求めるか金銭で解決するか:選ぶための材料」に、相談先ごとにできることは「不当解雇の相談先:労基署・労働局・弁護士でできることの違い」にあります。解雇そのものの考え方は「不当解雇とは?解雇の有効性の考え方と通知されたらすぐすること」で確認できます。
応募前に整えておく書類と、失業保険の扱い
応募先に出す書類は、事実が食い違わないように整えます。
- 履歴書の退職欄:「会社都合により退職」など事実に沿う書き方にする。
- 退職証明書:応募先から求められたら、請求した項目だけが書かれる。「退職の事由」を入れるかどうかを自分で選んで請求できる(厚生労働省のQ&A)。
- 解雇理由証明書または解雇通知書:面接で話す内容と照らし合わせる。
失業保険は、ハローワークが示す特定受給資格者の範囲に「解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)」が含まれます。つまり、重大な理由による解雇とされた場合は、この範囲の外に置かれます。どちらに当たるかを判定するのはハローワークなので、離職票の離職理由が事実と違うときは、窓口で異議を述べます。
転職支援を使うときの伝え方
解雇の後は、一人で求人を探し、応募ごとに説明をするのが負担になりがちです。転職支援(転職エージェント)に最初の面談で解雇の事実と経緯を伝えておくと、応募先への説明の順番を一緒に考えてもらえます。確かめたい点は、解雇の経緯を伝える範囲と順番を担当者がどう考えているか、応募先への説明を自分の確認なしに送られないか、応募を急かされたときに断れるかです。
退職勧奨で辞めた場合の説明は「退職勧奨で辞めたときの転職理由:面接と履歴書での伝え方」に、入社して間もなく辞めた場合の答え方は「短期離職の理由を面接で聞かれたら:パワハラが原因のときの答え方」にあります。
よくある質問
Q. 面接で「不当解雇でした」と言ってもよいですか?
避けたほうが無難です。解雇が有効か無効かは労働契約法16条の基準で最終的に判断される事柄で、面接の場で結論を言い切れるものではありません。「会社から解雇を告げられた」という事実と、告げられた理由、自分の受け止めを分けて話すと、聞く側も整理しやすくなります。
Q. 解雇されたことは、履歴書に書かなければいけませんか?
履歴書の退職欄に決まった書式はありませんが、「会社都合により退職」のように事実に沿って書く人が多く、面接で聞かれたら解雇であることを話せるようにしておくのが基本です。書類では「一身上の都合」とし、面接で解雇と話すと食い違うため、書類と口頭の事実はそろえます。
Q. 解雇の効力を争っている最中でも、転職活動をしてよいですか?
転職活動そのものを禁じる決まりはありません。ただ、復職を求めるのか金銭での解決を目指すのかで、転職の進め方が変わります。内定を受ける前に、相談している弁護士や労働局の窓口に状況を伝え、入社時期や手続きとの兼ね合いを確かめておくと、あとで困りにくくなります。
出典・参考にした公的な情報
- 労働契約法 第16条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働基準法 第22条(退職時等の証明)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 確かめよう労働条件 Q&A「退職証明書」(厚生労働省)
- 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(ハローワーク(厚生労働省))
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。