記録と証拠 / 手順

パワハラのLINEを証拠に残す方法:スクショとトーク履歴の保存手順

この記事のもくじ
  1. LINEのスクショで写す範囲:名前・日付・時刻・前後の流れ
  2. トーク履歴をテキストで保存する手順
  3. 送信取消・ブロック・退会への備え
  4. グループLINEで責められたときの残し方
  5. 保存したLINEを使うときの注意

パワーハラスメント(パワハラ)のLINEは、スクショ(画面の保存)とトーク履歴のテキスト保存の両方で残します。スクショには、相手の名前、日付、送信時刻、前後のやり取りが1枚に入るように写します。テキスト保存は、トーク全体の流れを日時つきで残せます。相手が送信を取り消したり、自分の端末が壊れたりする前に、受け取ったその日のうちに両方を作っておくのが基本です。

LINEのスクショで写す範囲:名前・日付・時刻・前後の流れ

暴言の1行だけを切り取ったスクショは、誰がいつ送ったのか、どんな流れで送られたのかが分かりません。読む人が状況をつかめるように、次の4つが入るように撮ります。

早見表:LINEのスクショに入れるもの
入れるもの 画面のどこにあるか ない場合に困ること
相手の名前 トーク画面の一番上 誰から来たのか示せない
日付 トークの途中に出る日付の区切り 何日の出来事か分からない
送信時刻 各メッセージの横 深夜・休日の連絡かどうか示せない
前後のやり取り 問題の発言の前後数件 何への返事だったのか分からない

撮るときの手順です。

  1. トーク画面を開き、一番上に相手の名前が出ている状態にします。
  2. 日付の区切りが画面に入る位置までさかのぼってから、1枚目を撮ります。
  3. 少しずつ下へ動かし、前の画像と1〜2行が重なるように続けて撮ります。重なりがあると、途中を抜いていないことが伝わります。
  4. 問題の発言の後、自分が何と返したか、相手がさらに何を送ったかまで撮ります。
  5. 撮った画像は、日付と通し番号で名前を付け、パソコンや外部の保存先にコピーします。

相手のプロフィール画面(名前とアイコン)も1枚撮っておくと、トークの相手が誰かを示しやすくなります。LINEの名前を本名以外にしている相手なら、なおさら役に立ちます。

トーク履歴をテキストで保存する手順

スクショは見た目をそのまま残せますが、何十枚にもなると流れを追うのが大変です。LINEには、トーク履歴をテキスト形式(.txt)で書き出す「トーク履歴を送信」の機能があり、日時つきで1つのファイルにまとめられます。

  1. スマートフォンでは、保存したいトークルームの上部のメニューから「設定」を開き、「トーク履歴を送信」を選んで、送り先(自分宛てのメールやファイルの保存先)を選びます。
  2. パソコン版(WindowsとMac)では、保存したいトークルームを開き、画面上部のメニューから「トークを保存」を選びます。
  3. パソコン版で保存されるのは、そのとき開いているトークルームに表示されている履歴だけです。長いトークは、さかのぼって表示してから保存します。メニューの位置や名前は版で変わるので、見つからないときはLINEヘルプセンターの「トーク履歴をテキスト形式(.txt)で保存するには?」で手元の版の手順を確かめます。

書き出されるのは、その時点で開いているトークルームの履歴だけで、テキストで保存した履歴をLINEに戻すことはできません。この方法は、機種変更のためのバックアップとは別の機能で、読むための控えと考えておきます。写真や動画、ボイスメッセージは、トークの中で開いて端末に保存し、テキストとは別に残しておくと安心です。

テキストファイルは、自分宛てのメールに添付する、私物のパソコンに入れる、などして、スマホ1台だけに置かないようにします。置き場所の選び方は記録の保管方法、アプリ・パソコン・紙の比べ方は記録の保存方法の比較で扱っています。

送信取消・ブロック・退会への備え

LINEのメッセージは、送った側があとから取り消せます。LINEヘルプセンターは、送信取消は自分が送ったメッセージを自分と相手の両方のトークルームから消す機能で、取り消すと「メッセージの送信を取り消しました」と表示され、復元はできないと説明しています。取り消せる時間は標準で送信後1時間以内、LYPプレミアム会員(スタンダードプランなど)は7日以内で、未読のメッセージに限り通知なしで取り消せます(2025年10月下旬から順次変更された内容です)。つまり、相手が読む前なら、取り消したことに気づかれないまま文面が消えることがあります。

ここから言えるのは、ひどいメッセージほど、気づいた時点ですぐ撮ることが大切だということです。読んで傷ついたまま閉じてしまうと、次に開いたときには消えているかもしれません。

  • 通知に本文が表示された場合は、その通知画面も撮っておきます。取り消される前の文面が残ることがあります。
  • 取り消されたあとの「送信を取り消しました」の表示も、日時が分かるように撮ります。取り消した事実そのものが記録になります。
  • 相手がアカウントを消したり、自分がブロックされたりすると、相手の名前の表示が変わることがあります。前の段で撮ったプロフィールの画面が、相手が誰だったかを示す手がかりになります。
  • 自分から相手をブロックする前に、トークを一通り保存しておきます。

取り消された文面を思い出して書くときは、「○時○分に受信、○時○分ごろ取り消し。内容はおおむね『〜』」と、覚えている範囲で正直に書きます。言葉をそのまま書く方法は暴言を逐語メモと録音で残す方法で説明しています。LINEで送られてきた画像や、職場で撮った物の写真の残し方はパワハラの証拠に写真・動画を残すときにあります。

グループLINEで責められたときの残し方

グループLINEで自分だけが名指しで責められる場合は、1対1のトークより残すものが増えます。誰が見ている場で言われたのかが、記録の大事な一部になるからです。

残すもの 撮り方 何を示せるか
グループ名とメンバーの一覧 グループの設定画面からメンバー一覧を撮る 何人が見ている場だったか
問題の投稿と前後 投稿者の名前と時刻が入るように撮る 誰がどんな流れで書いたか
既読の数 投稿の横の「既読○」が入るように撮る 何人が読んだか
他の人の反応 同調する投稿やスタンプも撮る 集団で行われたかどうか

厚生労働省のパワハラ指針は、相手の能力を否定し罵倒するような内容の電子メール等を、相手を含む複数の労働者宛てに送信することを、精神的な攻撃に当たると考えられる例に挙げています。グループLINEでのやり取りがこれに当たるかを決めるのは労働局や弁護士ですが、宛先の範囲と本文を残しておけば、判断の材料になります。

グループを抜ける前には、トークの保存とメンバー一覧の撮影を済ませます。抜けたあとは、そのグループの新しいやり取りを見られなくなります。

保存したLINEを使うときの注意

保存したLINEは、相談の場で見せるための材料です。社内の同僚に回したり、SNSに載せたりはしません。本当に届いたメッセージでも、広め方によっては自分が責任を問われるおそれがあります(理由はパワハラの録音をSNSで公開していい?)。

見せる相手は、会社のハラスメント相談窓口、労働局、弁護士などです。どこに何を出すと役に立つかは証拠をどこに出すかを整理した記事で比べています。

上司からのLINEそのものをどう断るか、休日や深夜の連絡にどう応じるかは、上司のLINEがパワハラにあたるかを整理した記事で扱っています。メールでのパワハラの残し方はメールを証拠にする方法で説明しています。

よくある質問

Q. LINEのスクショは、加工できるから証拠にならないと聞きました。

画像だけだと加工の疑いをかけられる余地はあります。だからこそ、トーク履歴のテキスト保存、スマホ本体のトーク画面、受け取った当日のメモを重ねて残しておきます。複数の形で同じやり取りが残っていれば、1枚の画像だけより信用されやすくなります。元のトークは消さずに残しておいてください。

Q. 機種変更でトークが消えてしまいそうです。

機種変更の前に、LINEのトーク履歴のバックアップをとり、引き継ぎの手順を確かめておきます。証拠として残したいトークは、バックアップとは別に、テキスト保存とスクショも作ってパソコンなどにコピーしておくと、引き継ぎに失敗したときも手元に残ります。

Q. 相手のLINEを保存したことを、本人に伝えたほうがいいですか?

伝える必要はありません。保存は、届いたメッセージを自分の手元に残すだけです。気をつけたいのは、保存したものを社内の人やSNSに広めないことです。使う先は、会社の相談窓口や労働局、弁護士などに絞ります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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