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面接でブラック企業の見分け方:逆質問と職場見学で確かめる点

この記事のもくじ
  1. 逆質問10個:聞くことと、答えの読み方
  2. 返答の読み方:一度の答えで決めない
  3. 面接官の態度で分かること
  4. 職場見学・オフィス訪問で見る点
  5. 内定後〜入社前にやること

面接でブラック企業を見分けるには、離職の状況・残業の実績・ハラスメントの相談窓口を、数字と仕組みで質問し、その返答の質を見るのが基本です。面接官の雰囲気だけでは判断が偏るので、逆質問10個と、返答の読み方、職場見学で見る点を組み合わせます。求人票の段階の確かめ方はブラック企業の見分け方:求人票で確かめる12項目と危ない書き方に、公的な公表事案の見方はブラック企業リストとは?厚労省の公表事案の見方と使い方に分けています。

逆質問10個:聞くことと、答えの読み方

逆質問は、面接の最後に1〜3個に絞って聞くのが現実的です。一度に10個を並べず、応募先の求人票で空欄だった項目から選びます。

逆質問10個の早見表(聞くこと・聞き方・読み方)
No. 聞くこと 聞き方の例 返答の読み方
1 離職の状況 「直近3年間の入社人数と、そのうち退職された人数を教えていただけますか」 数字で出るか。新卒の離職は、ユースエール認定(常時雇用300人以下の中小企業が対象)の要件、直近3事業年度の離職率20%以下を目安の一つにできる
2 募集の背景 「今回は増員ですか、欠員の補充ですか」 欠員なら、前任者が辞めた理由を聞く余地がある
3 残業の実績 「配属予定の部署の、月の平均残業時間と、多い月の最大を教えてください」 平均だけでなく最大が出るか。管理の方法(申請の仕組み)も聞く
4 有給休暇 「社員の方の有給休暇は、平均で年に何日ほど取られていますか」 ユースエール認定の要件は、取得率の平均70%以上または年間平均10日以上(認定を受けていない会社に当てはめる基準ではなく、聞くときの目安)
5 ハラスメントの窓口 「ハラスメントの相談窓口は、社内と社外のどちらにありますか」 窓口を答えられるか。社外の窓口があるか
6 相談後の扱い 「相談した方が不利益を受けないための決まりは、どう周知されていますか」 決まりがあるか、周知されているか
7 研修と指導 「入社後の最初の3か月は、どなたがどのように教えてくださいますか」 担当者名や期間が具体的か
8 配属先の上司 「配属予定のチームの人数と、上司の方の役割を教えてください」 チームの構成を説明できるか
9 評価と昇給 「評価は何を基準に、年に何回行われますか」 基準を説明できるか
10 休職・復職 「体調を崩した方が休職して復職された例はありますか」 制度の有無と運用の実績

4・5・6の根拠を補います。

ハラスメントの窓口(5・6):パワハラ指針は、事業主が講ずべき措置として、方針の明確化と周知、相談窓口をあらかじめ定めて周知すること、事実関係の迅速な確認、相談したことを理由に不利益な取扱いをされない旨の周知を挙げています。窓口の設置は会社の選択ではなく、措置の一つです。厚生労働省の令和5年度の実態調査(企業回答)では、相談窓口を設けている企業のうち、設置先は「社内のみ」55.7%、「社内と社外の両方」41.2%、「社外のみ」3.0%でした。同じ調査では、勤務先の取り組みの度合いによって労働者のパワハラ経験の割合に差が出ています(数字はパワハラが少ない職場の選び方:公開情報で確かめる10項目に載せています)。

窓口が「ある」ことと、使われていることは別です。同じ調査で、企業の95.2%がパワハラ予防・解決の取組を実施と答える一方、労働者側は勤務先の取組が「特にない」が62.4%でした(対象も聞き方も違う調査なので、単純には比べられません)。そこで、窓口の有無に加えて、誰が窓口か、相談後に何が起きるかを聞きます。

離職の状況(1):新卒向けの募集では、学校卒業見込者等を対象に募集を行う者は、応募しようとする人の求めがあれば、青少年雇用情報を提供しなければならないと、青少年の雇用の促進等に関する法律第13条2項が定めています。中途採用に同じ義務はありませんが、数字を聞くこと自体は妨げられません。

返答の読み方:一度の答えで決めない

同じ質問でも、返答のしかたで会社の姿勢が見えます。

返答 読み方
数字をその場で答える 管理している。ただし数字の根拠(対象期間)も聞く
「確認して後日メールで」と言い、期日までに届く 質問を受け止めている
「確認して後日」と言ったまま届かない 催促のメールを1回送り、返事を見る
「アットホームだから大丈夫」と雰囲気で答える 具体の数字を重ねて聞く
質問に不機嫌になる、話をそらす 他の材料と合わせて、応募を続けるかを考える
面接官ごとに答えが食い違う 実態を把握していないか、数字を使い分けている可能性

大事なのは、同じ質問を人事と現場の面接官の両方にして、答えがそろうかを見ることです。1回の面接の雰囲気で決めると、偏ります。

面接官の態度で分かること

面接官の態度は、その人個人と会社の体質の両方が混ざります。次の表は、筆者の整理として、観察した点と読み方を並べたものです。

観察した点 読み方
質問に答えず、一方的に話し続ける 現場でも話を聞かない文化かを、別の面接官や見学で確かめる
応募者を見下す、否定する言い方が多い その面接官が配属先の上司になるかを聞く
遅刻や連絡の抜けが多い 時間管理や連絡の習慣は、入社後の働き方にも出やすい
退職者や前の人の悪口を言う 職場の人間関係の話し方を示す一例として記録する
質問を歓迎し、具体的に答える 他の材料とそろえば、安心の材料になる

面接官の態度は、会社の体質の一例にすぎません。1つの態度で決めず、記録(日付、場面、言われたこと)を残して、複数の材料で判断します。

面接の場でのハラスメントは別の話です。2026年10月1日から、事業主は、雇用する労働者による性的な言動により求職者等の求職活動が阻害されないよう、相談に応じる体制の整備などの措置を講じる義務があります(男女雇用機会均等法第13条)。面接中に性的な質問をされた場合などは、就活セクハラとは?2026年10月から義務化された会社の対策と相談先で相談先を確かめてください。高圧的な言動は、パワハラ指針で、求職者に対しても方針を示して相談に応じることが「望ましい」とされる範囲で、措置義務の対象とは別です。

職場見学・オフィス訪問で見る点

見学ができるなら、許可を得たうえで、次の点を見ます。1つで判断せず、複数当てはまるかを見ます。

  • 案内役以外の社員が、あいさつや会話をしているか
  • 終業時刻前後に、席にいる人数がどう変わるか(見学の時間帯を聞いておく)
  • 机の周りや共用の場所が、使われている形で整っているか
  • 社員同士の話し方が、上下で極端に違わないか
  • 見学そのものを断られたとき、理由が説明されるか

見学を断られることは、それだけで問題とは限りません。理由を聞き、代わりにオンラインでの座談会や、配属予定の人との面談を頼めるかを確かめます。

内定後〜入社前にやること

内定が出たら、労働条件通知書を入社の前に受け取れるかを聞き、求人票と照らします。賃金の内訳、固定残業代、試用期間、労働時間は、書面で確かめる項目です(詳しくはブラック企業の見分け方:求人票で確かめる12項目と危ない書き方)。承諾の期限が短い場合は、期限を延ばせるかを聞いて構いません。

転職エージェントを使うと、離職の状況や残業の実態を、応募先に確かめてもらえることがあります。有料職業紹介事業者は、職業安定法第32条の3により、求職者から手数料を取ってはならないのが原則です。使うときは、厚生労働省の人材サービス総合サイトで許可・届出の事業所かを確かめ、紹介を断ったときの扱い、入社後に条件が違った場合の連絡先を公式の説明で聞いてください。

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よくある質問

Q. 面接で離職の人数や残業時間を聞くのは、失礼になりますか?

聞き方で印象は変わります。「長く働きたいので、入社後の働き方をイメージしたい」と目的を添え、責める調子にしなければ、働き方への関心として受け取られるのが普通です。答えが数字で返ってくるか、質問そのものを嫌がるかが、会社を見る材料になります。

Q. 質問に具体的な数字で答えてもらえなかったら、辞退したほうがいいですか?

その場の返答だけでは決められません。「確認して後日メールで」と言われた場合は、期日までに数字が届くかを見ます。複数の面接官や人事に同じ質問をして、答えがそろうかも比べてください。届かない、答えが食い違う、質問を避ける、という状態が重なるなら、応募を続けるかを考え直す材料になります。

Q. 面接官に高圧的な態度を取られたときは、どこに相談できますか?

面接中の性的な言動は、2026年10月1日から事業主の措置義務の対象です。相談先は、企業の窓口、学校のキャリアセンター、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。それ以外の高圧的な態度は、会社の体質を読む材料として記録しておき、応募を続けるかを自分で決めます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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