心と体のつらさ / Q&A

カウンセリングの効果は?パワハラの相談で期待できること・できないこと

この記事のもくじ
  1. カウンセリングでパワハラの悩みに期待できることは?
  2. カウンセリングではできないことは?
  3. 何を話せばいい?初回に持っていくメモ
  4. 効果を感じにくいときは?見直すポイント
  5. 自分に合う受け方を選ぶ

パワハラの悩みでカウンセリングを受けると、気持ちと出来事を整理し、自分を責める考えのくせに気づき、次にどこへ何を相談するかを準備する、という効果が期待できます。反対に、パワハラに当たるかの判断、休職のための診断書、会社への働きかけは、カウンセリングではできません。 前者を求めるなら意味があり、後者を求めると「受けても変わらなかった」と感じやすくなります。この記事では、期待できること・できないことを分け、何を話せばよいか、効果を感じにくいときの見直し方を、よくある問いの形でまとめます。

カウンセリングでパワハラの悩みに期待できることは?

公認心理師法は、公認心理師の仕事を、心理状態の観察と分析、本人の相談に応じた助言や指導などの援助、家族など関係者への援助、心の健康についての知識の普及、と定めています。パワハラの悩みに当てはめると、期待できる効果は次の4つに整理できます。

早見表:カウンセリングでできること・できないこと
区分 内容 できないときの行き先
できる 混乱した出来事を時系列に並べ、気持ちと事実を分ける ―
できる 「自分が悪い」と考えてしまうくせに気づき、別の見方を練習する ―
できる 辞める・休む・相談するなどの選択肢を並べ、迷いを言葉にする ―
できる 職場の相談窓口や家族に話す前に、伝え方を練習する ―
できない 病名の診断、薬の処方、休職のための診断書 医療機関(精神科・心療内科)
できない パワハラに当たるかの判断、慰謝料などの法的な見込み 総合労働相談コーナー、労働局、弁護士
できない 会社への申し入れや交渉 本人、労働局の援助・調停、弁護士

1. 出来事と気持ちの整理。 パワハラを受けている最中は、言われた言葉、そのときの自分の反応、その後の体調が一つの塊になって頭の中を回りがちです。話しながら順番に並べることで、「何があったか」と「どう感じたか」が分かれて見えてきます。

2. 考え方のくせへの気づき。 「自分ができないから叱られる」と考え続けていると、その考えが事実のように感じられてきます。カウンセリングでは、その考えがどこから来ているか、ほかの見方はないかを、一緒に確かめていきます。

3. 選択肢と迷いの言語化。 辞めるか、休むか、相談するか、もう少し様子を見るか。決めるのは本人ですが、それぞれの選択肢で何が不安なのかを言葉にすると、迷いの正体がはっきりします。

4. 伝える前の練習。 上司の上司や社内窓口、家族に話す前に、どう切り出すかを練習する場としても使えます。

カウンセリングではできないことは?

いちばん誤解されやすいのは、診断書です。診断書を出すのは診察をした医師で、医師法第19条2項は、診察した医師は診断書の交付を求められたら正当な事由がなければ拒んではならない、と定めています。カウンセラーは医師ではないため、病名をつけたり、休職のための診断書を書いたりすることはできません。休職を考えているなら、受診が先です。パワハラで心療内科を受診するとき:初診で伝えることと準備を見てください。

パワハラに当たるかの判断も、カウンセリングの役割ではありません。厚生労働省の「こころの耳」の電話相談も、ハラスメントに当たるかの判断や法律の相談は受けないと明記しています。当たるかどうかの整理や会社への対応は、無料・予約不要の総合労働相談コーナーや、労働局の助言・指導と調停の仕組みが窓口です。

「公認心理師」の名称は、登録を受けた人だけが使えます(公認心理師法第44条)。申し込む前に、相談員の肩書きが公認心理師なのか、臨床心理士などほかの資格なのかを、サービスの案内で見ておくと、どんな専門性の人に話すのかが分かります。

もう一つ、主治医がいる人は注意が要ります。公認心理師法第42条2項は、支援を受ける人に主治医がいるときは、公認心理師はその指示を受けなければならないとしています。通院中にカウンセリングを始めるなら、主治医にそのことを伝え、カウンセラーにも通院中であることを話しておくと、両方の支援がかみ合います。

何を話せばいい?初回に持っていくメモ

「何を話せばいいか分からない」という人は、次の5つをメモにしておくと、初回の時間を有効に使えます。

  1. いちばん困っていること:一言で(例:上司の声を聞くと手が震える)
  2. いつから、何があったか:日付と出来事を2〜3個。全部でなくてよい
  3. 体と生活への影響:眠り、食欲、休日の過ごし方
  4. すでに相談した先:社内窓口、家族、医療機関など
  5. このカウンセリングで目指したいこと:例「辞めるかどうかを自分で決められる状態になりたい」

初回の切り出し方の例:「上司からの叱責が半年ほど続いています。今日は、パワハラかどうかよりも、頭の中がいっぱいで考えがまとまらないので、整理を手伝ってほしいです。最終的には、続けるか辞めるかを自分で決められるようになりたいです。」

記録をつけている人は、パワハラの記録ノートの付け方(事実の欄と気持ちの欄)のノートを持っていくと、出来事を説明する時間を短くでき、気持ちの話に時間を回せます。

効果を感じにくいときは?見直すポイント

数回受けても「話しただけで終わる」と感じるときは、次の点を見直します。

感じていること 見直すこと
毎回、同じ愚痴を話して終わる 初回に決めた目標をカウンセラーと一緒に振り返る。目標がなければ今から決める
話した後、かえって疲れる つらい場面を思い出す量が多すぎないか伝える。ペースを落としてもらう
カウンセラーと合わない 遠慮なく担当を替える。違和感を抱えたまま続けない
眠れない・食べられないが続く カウンセリングより受診を先にする
会社をどうにかしてほしい 目的が違う。労働局や社内窓口に相談を分ける

話しにくさや違和感が続くなら、そのまま我慢して通い続ける必要はなく、合わないと感じたら担当を替えるのは失礼なことではありません。有料のサービスなら、担当の変更ができるかを最初に確かめておくと安心です。

自分に合う受け方を選ぶ

費用をかけずに一度試したいなら、無料のオンラインカウンセリングはある?公的な相談と有料の違いで、こころの耳などの使い方を確かめてください。会社が外部の相談サービスを契約している場合は、会社のEAPカウンセリングは使っていい?守秘と会社に伝わる範囲が次の一歩です。

同じカウンセラーと続けて話したい、夜や週末に自宅から受けたいという人には、有料のオンラインカウンセリングも選択肢の一つです。公認心理師・臨床心理士などの資格、1回の料金と時間、担当を固定できるか、緊急時にどの窓口を案内しているかを確かめて選んでください。選び方の観点はオンラインカウンセリングの選び方と費用:資格・料金・相談方法を確かめるにまとめています。

死にたい気持ちがある、眠れない日が続いているときは、カウンセリングを探すより先に、仕事がつらい・限界のときの相談先の電話窓口や医療につながってください。

よくある質問

Q. 何回くらい受ければ効果が出ますか?

回数の目安は、悩みの内容や重さ、カウンセラーのやり方によって大きく変わり、一律の答えはありません。最初の1〜2回で「何を目標にするか」と「何回ごとに振り返るか」をカウンセラーと決めておくと、続けるかどうかを自分で判断しやすくなります。

Q. カウンセラーに話したことが会社に伝わることはありますか?

公認心理師には、正当な理由なく業務で知った秘密を漏らしてはならない義務が法律で定められています。ただし、会社が費用を出しているEAPなどでは、利用の有無や件数の報告がどこまで行くかが契約で決まるため、初回に守秘の範囲を尋ねてください。

Q. 話すのが苦手でも受ける意味はありますか?

うまく話せなくても構いません。メモを見ながら話す、文章で送れるサービスを選ぶ、といった方法があります。最初に「話すのが苦手です」と伝えるだけでも、カウンセラーは質問の仕方を合わせてくれることが多いものです。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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