退職代行で辞めたら会社が警察に連絡する?連絡が取れないときの心配
退職代行を使って辞めること自体は、民法にもとづく民事上の退職の手続きで、犯罪ではありません。ただし、突然出社しなくなり、本人にも連絡がつかない状態が続くと、会社が安否を心配して警察に相談したり、緊急連絡先に連絡したりする可能性はあります。この心配は、退職の意思と「無事でいる」ことを、先に会社へ伝えておくことでかなり小さくできます。
不安で眠れない、動悸がするといったときは、仕組みの確認より先に仕事がつらい・限界のときの相談先:電話・LINEの窓口と受付時間から話せる窓口を選んでください。
会社が警察に連絡するのは、どんなときですか?
退職は、民法第627条1項にもとづく民事上の手続きです。期間の定めがない雇用なら、退職の申入れから2週間で雇用が終わります。退職の申入れをすること自体は、警察に届けるような事柄ではありません。
会社が警察に相談を考えやすいのは、退職の話ではなく、「社員の安否が分からない」と感じたときです。具体的には次のような状況です。
- 前日まで普通に出勤していたのに、何の連絡もなく突然来なくなった
- 電話やメールに返事がない
- 本人から退職の意思が会社に届いておらず、体調や事故を疑われている
- 一人暮らしで、緊急連絡先の家族にも連絡がつかない
退職代行を使えば、退職の意思は代行を通じて会社へ伝わります。それでも、会社の担当者が「本当に本人の意思か」を疑ったり、代行からの連絡を受け付けなかったりすると、安否確認の動きが出ることがあります。民間の代行が連絡を拒まれる場面は、民間企業の退職代行でできること・できないこと:使者の範囲でも触れています。
| 状況 | 会社が心配すること | 事前にできる手当 |
|---|---|---|
| 突然出社せず、連絡も途絶えた | 事故・体調急変の可能性 | 代行から「本人は無事」と最初の連絡で伝えてもらう |
| 一人暮らしで、緊急連絡先が親族 | 自宅確認や家族への連絡 | 家族に先に事情を話しておく(退職代行を使うことを親・家族にどう話す?反対されたときの整理) |
| 貸与品・社内資料が手元にある | 持ち出しの疑い | 郵送で返却し、送付と受領の記録を残す |
| 会社が代行からの連絡を受けない | 本人の意思かが不明 | 本人名義の退職届を送り、意思を書面で届ける |
事前に無事を伝える方法:4つの手当
警察や自宅訪問を避ける、というより、心配の理由をなくすことが目的です。次の4点を、退職代行に連絡するときに一緒に整えます。
- 最初の連絡に「無事」の一文を入れてもらう:代行は、退職の意思を伝える連絡の中で、本人の無事と、連絡の窓口が代行になったことも伝えられます
- 本人名義の書面を残す:退職届を、記録が残る方法(配達記録のある郵便など)で会社に送ります。民法第627条1項の「申入れ」が会社に届いた日を、後から説明できるようにするためです
- 緊急連絡先・身元保証人に、先に伝える:会社が入社時に出した連絡先へ電話する可能性があります。短い説明だけでも済ませておくと、驚かせずに済みます
- 貸与品と資料の扱いを決める:制服・鍵・社員証・PCなどは郵送で返し、社内資料や顧客情報を手元に残さないようにします。返し方は退職代行のときの返却物・制服の返し方と私物の受け取り方で確かめられます
代行に伝えてもらう内容の例です。
「本人から退職の意思を預かっています。本人は無事で、自宅にいます。今後の連絡はすべて当方にお願いします。自宅への訪問や、緊急連絡先への連絡はお控えいただけないでしょうか。」
「お控えいただけないでしょうか」は、依頼の形です。会社がこれに従う義務はありません。そのため、2と3の備えを併せて整えておきます。
実際に連絡が来たときの対応
会社や警察から連絡が来ても、慌てる必要はありません。次の順で対応します。
- 会社の担当者から電話が来た:出るかどうかは自由です。出る場合は「退職の手続きは代行を通しています」とだけ伝え、細かい話は代行に回します。内容と時刻をメモに残します
- 自宅に訪問があった:インターホン越しで構いません。無事であることを短く伝え、代行の窓口を案内します。訪問の日時を運営者に報告します
- 警察から電話や訪問があった:本人であること、自分の意思で退職の手続きを進めていること、無事であることを伝えます。会社との退職日や有給の話は、警察に説明する場面ではありません
- 対応に迷う:緊急ではない警察への相談先と、110番との使い分けは、職場で暴力・脅しを受けたら:110番と#9110、警察への相談の仕方に番号と受付時間をまとめています。身の危険を感じるときは、迷わず110番です
退職代行を使った後に会社から連絡が来たときの対応全般は、退職代行の後に会社から連絡が来たら:電話・自宅訪問への対応でまとめています。
連絡を完全に断たないほうがよい理由
会社からの連絡を、すべて無視する形にすると、かえって心配を大きくします。代行を通す場合も、安否だけは伝わる道を残しておくと安全です。
- 会社への連絡窓口は代行に一本化しつつ、「本人は無事」という一文だけは、最初の通知に入れておく
- 本人の携帯電話は、着信拒否にせず、出られないときは留守番電話にする(折り返し不要の旨は代行から伝える)
- 引っ越しや長期の外出で所在が変わるときは、運営者にだけ知らせておく
- 郵便物は受け取り、退職関係の書類が届いたら、日付を控えておく
これらは、会社に言い分を与えないための備えです。会社の担当者が本人の無事を知っていれば、安否確認を理由に動く必要は小さくなります。
不安が強くて動けないときは
「警察が来るかもしれない」という不安だけで眠れない、手が震えるといった状態が続くなら、退職代行の手配より先に、まず気持ちを軽くすることを優先してください。電話やLINEで話せる窓口は仕事がつらい・限界のときの相談先:電話・LINEの窓口と受付時間にまとめています。
そのうえで、運営者に書面で確かめておきたい点は次のとおりです。最初の連絡で本人の無事を伝えるか、会社が連絡を拒んだときにどう動くか、自宅訪問があったときに誰に相談できるか。広告の言葉より、この回答のほうが判断の材料になります。口コミの読み方は退職代行の口コミの読み方:信じてよい情報と広告の見分け方にあります。
よくある質問
Q. 連絡が取れなくなると、会社は警察に届けられますか?
無断で出社しなくなった社員を心配して、会社が警察に相談することは起こり得ます。届け出るかどうかは会社と警察の判断で、本人が止められるものではありません。だからこそ、退職の意思と無事であることが会社に届くようにしておくことが、備えの中心になります。
Q. 退職代行を使ったのに、自宅に会社の人が来たらどうしますか?
玄関で長く話す必要はありません。「退職の手続きは代行を通して進めています。無事なので、ご心配なく」とだけ伝え、細かい話は代行の窓口に回します。ドアを開けたくないときは、インターホン越しで構いません。訪問があったことは、日時を控えて運営者に伝えます。
Q. 警察から本人に電話が来たら、何を話せばよいですか?
本人であることと、自分の意思で退職の手続きを進めており無事であること、の2点を落ち着いて伝えます。会社との退職日や有給の話に、警察の電話口で踏み込む必要はありません。
出典・参考にした公的な情報
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。