状況別の対処 / 手順

上司が怒鳴るときの対処:その場の受け流し方と後でする記録

この記事のもくじ
  1. 上司が怒鳴るとき、その場でしないこと
  2. その場を短く終わらせる受け答え
  3. 席に戻ったら書く記録
  4. 怒鳴られて萎縮しないための次回への備え
  5. 繰り返し怒鳴られるときに相談へ進む目安

上司が怒鳴るときは、その場では言い返さず短く受け答えをして離れ、席に戻ったらすぐに日時・言葉・声の大きさ・周りにいた人を書き残すのが基本の対処です。怒鳴られて体がこわばるのは自然な反応で、あなたが弱いからではありません。この記事では、その場でしないこと、その場を短く終わらせる言い方、直後の記録、繰り返されるときに相談へ進む目安を順に説明します。

上司が怒鳴るとき、その場でしないこと

怒鳴られている最中は、頭が真っ白になりやすい時間です。何をするかより、何をしないかを決めておくほうが動けます。

その場でしないこと 理由
同じ声の大きさで言い返す 言い争いになると、後で「お互いさま」と見られやすい
泣きながら謝り続ける 怒鳴る時間が長くなることがある。謝るのは事実に対して一度でよい
その場で辞めると宣言する 勢いで言った言葉が、退職の意思表示として受け取られるおそれがある。辞めるかどうかは落ち着いてから決める
物や机に当たる 自分の行為として記録に残ってしまう
慌てて録音を始める 相手を刺激し、取り上げられることもある

怒鳴る上司に対して、言い返したい気持ちが強い人もいると思います。反論の仕方と避けたい言葉はパワハラ上司に言い返すときの言い方で整理しています。

その場を短く終わらせる受け答え

怒鳴られている時間を短くするには、受け答えを決まった型にしておくのが役立ちます。ポイントは、事実だけを認め、感情には乗らず、話を終わらせる一言を入れることです。

受け答えの例:「ご指摘の○○の件は確認します。いったん席に戻って、修正案を15時までにメールでお送りします。」

長く続くときの例:「申し訳ありません、内容をメモしたいので、要点をメールでいただけますか。」

人前で怒鳴られたときの例:「この件は、会議室で伺ってもよろしいですか。」

1つ目は「やること」と「期限」を示して話を閉じる型、2つ目は話を文字に移してもらう型です。メールで指示が届けば、それ自体が記録になります。3つ目は場所を移す型ですが、二人きりになるのが怖い場合は無理に使わなくてかまいません。

体が震えて声が出ないときは、「はい」「確認します」だけでも十分です。その場で上手に対応することより、無事に席へ戻ることを優先してください。

席に戻ったら書く記録

怒鳴られた直後の記録は、後で相談するときにいちばん役に立つ材料です。書くのは5分でかまいません。

  1. 日時と、怒鳴っていた時間の長さ(例:10時05分〜10時25分の約20分)
  2. 場所と、周りにいた人(例:執務室の自席の前、同じ島の4人が聞いていた)
  3. 怒鳴られた言葉をそのまま(例:「何回言ったら分かるんだ」「使えない」)
  4. 声の大きさと態度(例:フロアの端まで聞こえる声、机をたたいた)
  5. 原因とされた仕事の内容と、自分のミスの有無(例:見積書の数字の誤り。自分の確認不足)
  6. その後の自分の状態(例:手の震えが30分続いた、昼食がとれなかった)

5番の「自分のミス」まで書くのは、怒鳴られた理由と、怒鳴るという伝え方を分けて説明するためです。ミスがあったとしても、伝え方が業務に必要な範囲を超えていたかどうかは、別の問題として見られます。

記録の書き方の例(怒鳴られた日)
項目 書く内容の例
日時・長さ 10月23日 10:05〜10:25(約20分)
場所・周囲 執務室の自席前。同じ島の4人がいた
言葉 「何回言ったら分かるんだ」「使えない」
声・態度 フロア全体に聞こえる声。机を2回たたいた
原因とされたこと 見積書の数字の誤り(自分の確認不足)
その後 手の震えが30分。昼食をとれず

書き方の型はパワハラの記録の書き方と記入例に、録音を準備したい人向けの手順はパワハラの録音の仕方と保存の手順にあります。言葉の中身がひどい暴言だった場合は、言葉の残し方に特化した上司の暴言への対処と言葉の記録も読んでください。

怒鳴られて萎縮しないための次回への備え

すぐ怒鳴る上司のもとでは、報告に行く前から体がこわばり、萎縮して言葉が出なくなることがあります。次に同じ場面が来たときの負担を減らす工夫を、先に用意しておきましょう。

  • 報告は要点を3行にまとめたメモを持って行く。話が飛んでも、メモを読み上げれば伝わる
  • 悪い知らせほど、口頭の前に短いメールを送っておく。「詳細は後ほどご説明します」と添える
  • 叱責されやすい面談には、先輩や同僚に同席を頼めないか相談する
  • 怒鳴られやすい時間帯(朝の会議の直後など)を記録から探し、その時間の報告を避ける
  • 終わった後に気持ちを落ち着ける手順を決めておく(トイレで深呼吸を3回、水を飲む)

こうした工夫は、上司の怒鳴り方を変えるものではありません。自分の消耗を少しでも減らし、記録と相談を続ける余力を残すためのものです。接点そのものを減らす方法はパワハラ上司と距離を置く方法にまとめています。

繰り返し怒鳴られるときに相談へ進む目安

厚生労働省のパワハラ指針は、「精神的な攻撃」に当たると考えられる例に、面前での大声の叱責と必要以上に長い叱責の繰り返しを挙げています。人前で繰り返されるなら人前で怒る上司はパワハラ?見せしめの叱責を受けたときの整理、長い説教や嫌味が中心ならネチネチ嫌味を言うパワハラ上司:長い説教・嫌味の記録と対処法も合わせて読んでください。一方で、遅刻など社会的ルールを欠いた言動を再三注意しても改善されない場合に一定程度強く注意することは、当たらないと考えられる例です。

指針の例は限定されたリストではなく、当てはまるかは個別の事情で判断されます。読者が自分で決める必要はありません。次の項目は指針の基準ではなく、このサイトが相談へ進むタイミングとして置いた目安です(1つでも当てはまれば、相談してかまいません)。

  • 人前で大声で怒鳴られることが、週に1回以上ある
  • 1回の叱責が30分を超えることがある
  • 机をたたく、書類を叩きつけるなど、威圧する行為が伴う
  • 怒鳴られるのが怖くて、報告や相談ができなくなっている
  • 自分だけが繰り返し怒鳴られている

相談先は、上司の上司、人事、社内のハラスメント窓口、社外の公的窓口などがあります。怒鳴られたことを相談した後で、報復のように扱われることは、労働施策総合推進法 第31条の禁止の対象です。窓口の選び方はパワハラの相談はどこへ?窓口ごとにできることと選ぶ順番で比べられます。

人に向けて物を投げる・殴る・体に触れるといった暴力や、「殺す」など身の危険を感じる脅しがあったときは、怒鳴り声の問題とは別に扱います。身の安全を先に守り、警察への相談は職場で暴力・脅しを受けたら:110番と#9110、警察への相談の仕方で確かめてください。

怒鳴る上司が怖くて体が動かない、出社できないという状態になっていたら、相談より先に休むことを考えてください。休む連絡の仕方はパワハラ上司が怖い・出社できないとき:休む連絡の文例と相談する順番にまとめています。全体の進め方はパワハラ上司への対処法で確かめられます。怒鳴り声だけでなく人格を否定する言葉が混じるなら、次の記事上司の暴言への対処:言われた言葉の記録と相談先へ伝えるまでで言葉の記録の取り方を確かめてください。

よくある質問

Q. 怒鳴られている最中に、録音を始めてもいいですか?

慌ててスマートフォンを操作すると、相手をさらに刺激することがあります。怒鳴られることが繰り返されるなら、次の面談や会議の前から録音を準備しておくほうが落ち着いて残せます。録音の始め方と保存の注意は録音の記事で確かめてください。

Q. 自分のミスが原因で怒鳴られた場合も、記録しておくべきですか?

記録しておきましょう。ミスに注意を受けること自体は業務の範囲でも、声の大きさ・時間・場所などの伝え方が範囲を超えることはあります。自分のミスの内容も正直に書いておくと、相談したときに経緯が正確に伝わります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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