ハラスメントの種類 / チェックリスト

職場のモラハラチェックリスト:言葉・態度・孤立の25項目で整理

この記事のもくじ
  1. チェックリストの使い方:判定ではなく、相談の材料にする
  2. 25項目のモラハラチェックリスト(5群)
  3. 当てはまった数より大事な3つの見方
  4. チェックのあとにすること:相談メモにまとめる

職場のモラハラかもしれないと感じたら、言葉・態度・情報や仕事の遮断・孤立・私生活への干渉の5つの群、25項目で書き出すと、何が起きているかを相談できる形に整理できます。このチェックリストは、モラハラやパワハラ(パワーハラスメント)に当たるかを判定するものではありません。判定は事実をもとに会社の窓口や労働局、弁護士がするもので、ここで作るのはその判断をしてもらうための材料です。各項目には、厚生労働省のパワハラ指針で近い類型を添えています。

チェックリストの使い方:判定ではなく、相談の材料にする

紙でもスマホのメモでも構いません。項目ごとに、次の3つを書き込みます。

  1. 当てはまるか(はい/いいえ)
  2. 頻度(毎日・週に数回・月に数回・一度だけ)
  3. 最初にあった日と、いちばん最近の日(だいたいでよい)

書くときは、「嫌われている」「意地悪だ」といった受け止めではなく、「○月○日、朝礼で『また遅れたの』と全員の前で言われた」のように、相手の言葉や行為をそのまま書きます。気持ちを書きたいときは、事実の欄と分けて別の欄に書くと、後で読み返したときに伝わりやすくなります。

25項目のモラハラチェックリスト(5群)

A 言葉

No. 項目 パワハラ指針で近い類型
1 容姿・出身・性格など、人格を否定する言葉を言われる 精神的な攻撃
2 ほかの人がいる前で、大声で叱責されることが繰り返される 精神的な攻撃
3 業務について、必要以上に長い時間の厳しい叱責が繰り返される 精神的な攻撃
4 能力を否定する内容のメールやチャットを、自分を含む複数人宛てに送られる 精神的な攻撃
5 嫌味や皮肉、当てこすりをほぼ毎日のように言われる 精神的な攻撃に近い(内容・頻度で判断)

B 態度

No. 項目 パワハラ指針で近い類型
6 自分にだけ挨拶を返さない、話しかけても答えない 人間関係からの切り離し
7 自分が近くに来ると、舌打ちやため息、物を乱暴に置く音を立てる 直接の類型はない。頻度と他の言動と合わせて記録
8 物を投げつけられる、机を叩いて威嚇される 身体的な攻撃・精神的な攻撃
9 小さなミスを、ほかの人より明らかに強く、何度も取り上げられる 精神的な攻撃に近い
10 自分の意見だけ、聞く前から否定される・笑われる 精神的な攻撃に近い

C 情報・仕事の遮断

No. 項目 パワハラ指針で近い類型
11 仕事に必要な連絡や資料を、自分にだけ回してもらえない 人間関係からの切り離しに近い
12 担当業務に関係する会議や打合せに、自分だけ呼ばれない 人間関係からの切り離し
13 嫌がらせのために、仕事を与えられない 過小な要求
14 必要な教育を受けないまま、到底こなせない量や目標を課され、できないと厳しく叱られる 過大な要求
15 業務と関係のない私的な雑用を、強制される 過大な要求

D 孤立

No. 項目 パワハラ指針で近い類型
16 同僚が集団で自分を無視し、職場で孤立している 人間関係からの切り離し
17 仕事を外され、長い期間、別室や離れた席に一人で置かれる 人間関係からの切り離し
18 業務の連絡に使うグループやチャットから、自分だけ外される 人間関係からの切り離しに近い
19 根拠のない悪口や噂を、職場で広められる 精神的な攻撃・個の侵害に近い
20 上司や窓口に相談したのに、取り合ってもらえない・「あなたが悪い」と言われる 会社の措置義務の問題(相談体制・事後の対応)

E 私生活

No. 項目 パワハラ指針で近い類型
21 休日や退勤後の行動を、継続的に監視・詮索される 個の侵害
22 私物を勝手に撮影される 個の侵害
23 病歴、不妊治療、性的指向・ジェンダーアイデンティティなどを、了解なく他の人に話される 個の侵害
24 交際・結婚・家族のことを、断っても繰り返し聞かれる 個の侵害に近い(性的な内容ならセクハラ)
25 個人のSNSを見張られ、投稿の内容を職場で話題にされる 個の侵害に近い

表の右の列は、指針に載っている「該当すると考えられる例」をもとに、どの類型に近いかを筆者が対応づけたものです。指針の例は限られた一覧ではなく、例と少し違う形でも当てはまる場合がありえます。6類型の例と、該当しないと考えられる例を一覧で見たいときはパワハラ6類型の早見表:該当する例・しない例を指針から一覧にを使ってください。

当てはまった数より大事な3つの見方

チェックの数が多いほど深刻、とは限りません。相談先が判断で見るのは、次の3つです。

見方 書き添えること 理由
頻度と続いている期間 毎日か、いつから続いているか 指針は言動の頻度や継続性を判断の要素に挙げている
相手との関係 上司か、仕事で頼らざるを得ない同僚か、何人か パワハラの「優越的な関係」は上司に限らない
業務上の必要性 注意のきっかけになった自分のミスや遅れがあったか ミスの内容・程度と注意の仕方の釣り合いが判断の重要な要素になる

3つ目は書くのに勇気がいるかもしれませんが、自分の側の事情も書いておくと、相談先は「注意の仕方が釣り合っていたか」を見やすくなり、かえって話が通りやすくなります。また、1回だけでも強い苦痛を与える言動であれば、就業環境を害する場合がありうると厚生労働省は解説しています。暴力を受けた、身の危険を感じるという場合は、チェックを続けるより先に職場で暴力・脅しを受けたら:110番と#9110、警察への相談の仕方を読んでください。

眠れない、食欲がない、出勤前に体が動かないといった変化があるなら、その日付も記録に加えます。心身の変化は相談の材料になるだけでなく、受診を考える目安にもなります。パワハラによる体調不良のチェック:体に出るサインと受診先も合わせて見てください。

チェックのあとにすること:相談メモにまとめる

書き出したチェックリストは、そのまま窓口に持っていくより、1枚の相談メモにまとめると話が早く進みます。次の型を使ってください。

相談メモの型(A4で1枚)
  • 相手:氏名・立場(上司/同僚/複数人)・自分との仕事上の関係
  • 期間:最初の出来事の日〜いちばん最近の日
  • 当てはまった項目:No.と、その中でいちばんつらい出来事3つ(日付・言葉・その場にいた人)
  • 業務への影響:連絡が来ず遅れた、会議に出られなかった等
  • 体調への影響:眠れない、通院を始めた日など
  • これまでの相談:誰に、いつ、何と言われたか
  • 会社にしてほしいこと:間に入ってほしい、席や担当を変えてほしい等

相談先は、社内の上司・人事・ハラスメント相談窓口から始め、動いてもらえないときは総合労働相談コーナーや都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ、という順が一般的です。会社には、相談に応じて事実を確かめ、被害を受けた人への配慮をする措置を講じる義務があり、相談したことを理由に不利益に扱うことは禁じられています(労働施策総合推進法 第31条)。メモの元になる日々の記録の付け方はパワハラの記録の書き方:日時・言葉・場所・目撃者を残す記入例つき、モラハラとパワハラの関係の全体は職場のモラハラとは?パワハラとの違いと受けたときの整理の仕方、加害者がどう扱われるのかは職場のモラハラ加害者は処分される?懲戒の仕組みと被害者ができることで読めます。

よくある質問

Q. いくつ当てはまればモラハラ(パワハラ)と言えますか?

数で決まるものではありません。1項目だけでも、物を投げつけられた、病歴を職場中に話されたといった重い出来事なら相談する理由になります。逆に、多く当てはまっても、業務上の必要がある指導だったと判断されることもあります。数は目安にとどめ、頻度・相手との関係・業務上の必要性を書き添えてください。

Q. 書いたチェックリストは、会社の窓口に見せてもいいですか?

見せて構いません。日付と回数を書き込んだものは、相談の場で話の順番を整える助けになります。ただし、窓口に渡す前にコピーを手元に残し、原本や手書きのメモは自宅など自分だけが管理できる場所に置いておくと安心です。

Q. チェックしていたら、自分も同じことを誰かにしていた気がしてきました。

気づけたこと自体に意味があります。言動を改めることに加え、[パワハラの加害者にされたとき:事実確認に臨む準備と言い分の伝え方](/kagaisha-to-iwareta/)も参考にしてください。なお、自分が受けている言動の相談と、自分の振る舞いの見直しは、分けて進めて大丈夫です。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

職場のモラハラとは?パワハラとの違いと受けたときの整理の仕方

職場のモラハラ加害者は処分される?懲戒の仕組みと被害者ができること

パワハラ6類型の早見表:該当する例・しない例を指針から一覧に

パワハラの記録の書き方:日時・言葉・場所・目撃者を残す記入例つき