退職代行で辞めた後の離職票・書類:届かないときの対処
退職代行で辞めた後に受け取る書類は、離職票(-1と-2)、雇用保険被保険者証、源泉徴収票、必要なら退職証明書の4つが中心です。会社に出す書類の送り先を、申込みの時点で自宅と決めておけば、会社と顔を合わせずに受け取れます。この記事では、書類の一覧、届くまでの期限、届かないときの書類別の連絡先を順に示します。
受け取る書類の一覧:何のために使うか
| 書類 | 使う場面 | 会社の側の期限・根拠 |
|---|---|---|
| 離職票(-1・-2) | ハローワークで失業保険の手続きをする | 会社は、被保険者でなくなった事実のあった日の翌日から起算して10日以内に資格喪失届を出す(雇用保険法施行規則第7条)。離職票はハローワークが交付する(同第17条) |
| 雇用保険被保険者証 | 転職先の手続き、ハローワークの手続き | 在職中に有無を確認するよう、ハローワークが案内している |
| 源泉徴収票 | 転職先の年末調整、確定申告 | 退職の日以後1か月以内に会社が交付する(所得税法第226条1項) |
| 退職証明書 | 転職先や手続きで求められたとき | 請求すれば会社は遅滞なく交付する(労働基準法第22条) |
離職票は、会社が作る書類ではなく、ハローワークが交付する書類です。会社の役目は、離職証明書を添えて資格喪失届を出すところまでです。仕組みの全体は離職票が届かないとき:会社への請求とハローワークへの相談に詳しく書いています。
保険証(または資格確認書)は、書類を受け取る側ではなく、返す側の物です。返し方と次の健康保険は退職代行で辞めた後の保険証の返却と、次の健康保険・年金の手続きにあります。
申込みのときに伝えておくこと
退職代行では、会社から本人に直接書類が届かない形を取ります。そのため、申込みの時点で次を決めておくと、後で手戻りが減ります。
- 送付先の住所:自宅の住所、または日中に受け取れる住所
- 希望する書類:離職票(-1と-2)、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、退職証明書
- 離職票を希望するか:失業保険を受けるつもりなら「希望する」と伝える。雇用保険法施行規則第7条は、離職票の交付を希望しない人については離職証明書を添えない扱いを認めている(離職日に59歳以上の人は除く)
- 離職日の確認方法:事業者から、会社に伝えた退職日を教えてもらう
希望する書類と送付先は、会社に出す退職届の送り状や通知書にも書いてもらいます。退職届の書き方は退職代行を使うときの退職届:書き方・送り方と委任状の役割にあります。
離職票の離職理由の欄は、失業保険の給付に関わります。ハローワークは、離職証明書には離職前に本人が氏名を記載する扱いになっているため、離職理由の記載内容も確認するよう案内しています。退職代行を使った場合の離職理由の扱いは、退職代行で辞めたときの失業保険:離職理由はどう扱われるかで分けて説明しています。
届くまでの目安と、動き出す時期
期限が法令に書かれているのは、会社が資格喪失届を出すところ(被保険者でなくなった事実のあった日の翌日から起算して10日以内)と、源泉徴収票の交付(退職の日以後1か月以内)です。離職票がハローワークで交付されてから郵送されるまでの日数には、決まりがありません。
| 書類 | 会社の期限 | 動き出す目安 |
|---|---|---|
| 離職票 | 12月11日まで(離職の翌日の12月1日を資格を失う日とすると、その翌日の12月2日から数えて10日目は12月11日。数え方で1日ずれる) | 12月中旬を過ぎ、さらに数日たっても届かないとき |
| 源泉徴収票 | 退職の日以後1か月以内(12月末ごろ) | 12月末を過ぎても届かないとき |
「動き出す目安」の列は、法令の期限ではなく筆者が置いた目安です。源泉徴収票の「1か月」は、条文が「退職の日以後一月以内」としているだけなので、日付が近い場合は余裕を持って動きます。
届かないときの書類別の連絡先
書類ごとに連絡先が違います。
| 書類 | 最初の連絡先 | 次の連絡先 |
|---|---|---|
| 離職票 | 事業者を通して会社へ。送付状況と発送予定日を聞く | 住居地を管轄するハローワーク |
| 雇用保険被保険者証 | 事業者を通して会社へ(会社が保管している場合) | 持っていないことをハローワークに伝えて、手続きを聞く |
| 源泉徴収票 | 事業者を通して会社へ | 転職先に事情を伝え、確定申告で精算する道を確かめる |
| 退職証明書 | 事業者を通して会社へ請求(本人の氏名で書面を出す形) | 交付されないときは労働基準監督署 |
離職票。 ハローワークは、会社から離職票が交付されない場合や、事業主が行方不明の場合などは、住居地を管轄するハローワークに問い合わせるよう案内しています。窓口の受付は平日の8時30分から17時15分です。
源泉徴収票。 国税庁は、中途就職者の年末調整で前の勤務先の源泉徴収票などの確認ができないと、年末調整ができず、本人が確定申告で精算することになると説明しています。会社に届かないことは、転職先にも伝えておきます。
退職証明書。 労働基準法第22条1項は、使用期間、業務の種類、地位、賃金、退職の事由について証明書を請求したら、会社は遅滞なく交付しなければならないと定めています。請求しない事項は書いてはならないとされています(同条3項)。請求の方法は退職証明書の請求方法:労基法22条で会社に求められる内容と文例にあります。
会社へ書面で請求する文例
事業者を通しても動きがないときは、本人の名前で書面を出すことも選べます。本人の名前で出す場合は、先に事業者へ伝えて、会社への連絡が二重にならないようにします。
文例:「〇月〇日付で退職した〇〇です。次の書類が届いていません。離職票(-1と-2)、源泉徴収票。〇月〇日までに、下記の住所へ郵送してください。〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇〇県〇〇市…。確認のご連絡は、このメールへの返信でお願いします。」
ポイントは3つです。
- 書類の名前を具体的に書く
- 期限の日付を入れる
- 送付先の住所を、退職後の現住所で書く
会社から本人に電話が来て出てしまいそうなときは、退職代行の後に会社から連絡が来たら:電話・自宅訪問への対応を見ておいてください。会社が警察に連絡するのではないかという心配は退職代行で辞めたら会社が警察に連絡する?連絡が取れないときの心配で扱っています。
書類が届いたら、順番に見る
書類が届いたら、次の順で見ます。
- 離職票:離職日と離職理由の欄を見る。事実と違うと感じたら、ハローワークに相談する
- 源泉徴収票:支払金額、源泉徴収税額、社会保険料の額を見る。転職先に出す
- 雇用保険被保険者証:番号を控える。転職先に出す
- 退職証明書:記載された項目が、請求した事項と合っているか見る
全部の書類と役所の手続きの一覧は退職手続きのチェックリスト:会社から受け取る書類と役所の手続きにあります。
よくある質問
Q. 退職代行を使うと、離職票は出してもらえないことがありますか?
退職代行を使ったことを理由に、離職票が出なくなる決まりはありません。会社は、被保険者でなくなった事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、離職証明書を添えた資格喪失届をハローワークへ出す義務を負っています。離職票を希望しない人(離職日に59歳以上の人を除く)については離職証明書を添えない扱いができるので、申込みの際に「離職票を希望する」と伝えておきます。
Q. 源泉徴収票が届かないと、次の職場の年末調整はどうなりますか?
国税庁の案内では、前の勤務先の給与額や税額を源泉徴収票などで確認できないと、年末調整はできません。その場合は、本人が確定申告で精算することになります。届かないまま年を越しそうなときは、会社に再度頼んだうえで、確定申告を使う道があると考えておきます。
Q. 会社に直接連絡せず、書類だけ受け取ることはできますか?
送付先を自宅にして、事業者を窓口に頼む形が一般的です。ただ、民間企業運営の事業者は、会社と交渉できる範囲が限られます。書類を送ってほしいという依頼を伝えるところまでは担えても、会社が応じないときの交渉は担えません。届かないときの動き方を、申込みの前に事業者へ聞いておきます。
出典・参考にした公的な情報
- 雇用保険法施行規則 第7条・第17条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 雇用保険の具体的な手続き(受給手続きの流れ・離職票が交付されない場合)(ハローワークインターネットサービス(厚生労働省))
- 所得税法 第226条(源泉徴収票)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- No.2674 中途就職者の年末調整(国税庁)
- 労働基準法 第22条(退職証明書)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。