離職票が届かないとき:会社への請求とハローワークへの相談
この記事のもくじ
離職票が届かないときは、①退職から10日(会社の届出期限)がたっているかを数える、②会社に書面(メール)で発行を請求する、③住居地のハローワークに状況を伝えて相談する、の順に動きます。会社が出さない場合や会社と連絡がとれない場合の相談先は、ハローワークの案内に書かれています。この記事では、離職票が手元に届くまでの流れ、会社への請求の文例、ハローワークに持っていくもの、本人から確認を請求する方法を順に示します。
離職票が届くまでの流れと、会社の提出期限
離職票を作るのは会社ではなくハローワークです。会社がやるのは、離職の事実をハローワークに届け出るところまでです。流れは次のとおりです。
| 段階 | 誰が | 内容 | 期限・根拠 |
|---|---|---|---|
| 1 | 会社と本人 | 離職証明書の離職理由を確かめ、本人が氏名を記載する | 離職前(ハローワークの案内) |
| 2 | 会社 | 資格喪失届に離職証明書を添えて、事業所を管轄するハローワークへ提出する | 被保険者でなくなったことの事実があった日の翌日から10日以内(雇用保険法施行規則7条) |
| 3 | ハローワーク | 喪失の事実を確認し、離職票を交付する | 規則17条 |
| 4 | 会社 | 離職票を本人に渡す(会社を通じて交付できる) | 規則17条2項 |
法令が期限を定めているのは段階2までです。段階3から段階4の日数に決まりはないため、退職から10日以上がたち、さらに数日待っても届かないときが、動き出す目安になります。目安は筆者が置いたもので、法令の期限ではありません。
離職前に離職証明書の離職理由を確かめていない場合は、届いた離職票-2の内容を先に読みます。自分の主張と違う理由が書かれていたときの申し出は、パワハラ退職を会社都合にするには:離職理由の異議とハローワークでの申し出にあります。
会社に請求する:書面で出す文例
電話で催促すると、「送った」「確認する」で終わることがあります。日付が残る形(メール、書面)で、必要な書類と送り先を明記して請求すると、あとでハローワークに説明するときにも使えます。
文例:「○月○日付で退職した○○です。雇用保険被保険者離職票(-1と-2)の発行がまだ確認できません。ハローワークへの資格喪失届の提出状況と、離職票の発送予定日を、○月○日までにこのメールへの返信でお知らせください。送付先は下記の住所です。〒○○○-○○○○ ○○県○○市…」
ポイントは三つです。
- 離職票-1と-2の両方と書く。受給手続きでは両方を使います。
- 返答の期限を、土日をはさまない数営業日で区切る。
- 送付先の住所を、退職後の現住所で書く。引っ越した場合は、住民票の住所との食い違いがないかも見ておきます。
会社の担当者が分からないときは、総務・人事、社会保険の手続きを担当している部署あてに送ります。パワハラの相手とのやり取りを避けたいときは、直接の上司ではなく人事部門だけを宛先にします。退職代行で辞めた後の離職票・書類:届かないときの対処に、代理人を通した場合の連絡の考え方があります。
住居地のハローワークに相談する:持っていくもの
会社に請求しても届かないときは、住居地を管轄するハローワークに問い合わせます。ハローワークの受給手続きの案内には、会社から離職票が交付されない場合や事業主が行方不明の場合は、住居地を管轄するハローワークに問い合わせるよう書かれています。窓口の受付は平日8時30分から17時15分で、受給の相談は16時前に行くと余裕があるとされています。
相談に持っていくと話が早いものは次のとおりです。
- 本人確認ができるもの(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 会社の名称・所在地・電話番号が分かるもの(給与明細、雇用契約書、退職届の控え)
- 離職日が分かるもの(退職届の控え、会社からの通知)
- 会社に請求した記録(上の文例のメールの送信履歴と、返信があればその内容)
- 雇用保険に入っていたことが分かるもの(雇用保険被保険者証、給与明細の雇用保険料の欄)
窓口では、会社がハローワークに資格喪失届を出したかどうか、出していない場合にハローワークから会社に連絡してもらえるかを聞きます。このあとの確認請求まで進む必要があるかどうかも、窓口で教えてもらえます。
会社が出さないとき:本人からの確認請求
雇用保険法8条は、被保険者または被保険者であった者は「いつでも」、被保険者でなくなったことの確認を請求できると定めています。会社が届出をしない場合でも、本人からハローワークに請求する道があるということです。施行規則8条によれば、請求は文書でも口頭でも行え、事業主の事業所の所在地を管轄するハローワークに出します(住居地のハローワークとは別の場合があります)。
離職票の交付については、規則16条と17条に次の仕組みが書かれています。
- 会社は、離職した人が離職票の交付を請求するために離職証明書の交付を求めたときは、離職証明書を渡さなければならない(すでにハローワークへ提出している場合を除く)。
- ハローワークの所長は、本人が離職証明書を添えて請求したとき、離職票を交付しなければならない。
- 事業主の所在が分からないなど、やむを得ない理由があるときは、離職証明書を添えずに請求できる。
どの手続きを使うか、どの窓口に出すかは、離職の経緯によって変わります。自分でどれを選ぶか迷う段階で、住居地のハローワークにまず相談するのが近道です。書類のつくり方や確認請求書の書き方は、窓口で案内を受けます。
離職票が届くまでのあいだに進めておくこと
離職票は、雇用保険の受給手続きに使う書類です。ほかの手続きは、離職票を待たなくても進められるものがあります。
- 健康保険:国民健康保険に入るなら、退職から14日以内の届出が目安です(数え方は市区町村の案内で確かめます)。退職日が分かる書類(健康保険資格喪失証明書など)を求められることがあり、離職票を待てるかどうかは自治体によって扱いが違います。住んでいる市区町村の窓口の案内で確かめてください。選び方は退職後の健康保険の選び方:任意継続・国民健康保険・家族の扶養にあります。
- 退職証明書:退職日や退職の事由を示す書類は、離職票とは別に会社に請求できます。方法は退職証明書の請求方法:労基法22条で会社に求められる内容と文例で扱っています。
- 年金・住民税:国民年金の切替は退職日の翌日から14日以内です。詳しくは退職後の年金・住民税の手続き:辞めた月で変わる払い方にあります。
退職後の書類と役所の手続きを一覧にしたいときは、退職手続きのチェックリスト:会社から受け取る書類と役所の手続きを使ってください。会社とのやり取りそのものがつらいときは、パワハラの相談窓口一覧:電話番号・受付時間・できることの早見表から、労働局などの窓口を選べます。
順番の早見表
| 順 | やること | 使う場面 |
|---|---|---|
| 1 | 退職から10日たっているかを数える | 会社の提出期限の確認 |
| 2 | 書面(メール)で会社に請求する | 届かないと分かった日に |
| 3 | 住居地のハローワークに相談する | 会社が応じない・連絡がとれない |
| 4 | 離職証明書を添えて、または添えずに確認請求する | 窓口で案内を受けたあと |
よくある質問
Q. 離職票は退職してから何日で届きますか?
法令が定めているのは会社の側の期限で、被保険者でなくなったことの事実があった日の翌日から10日以内に、会社が資格喪失届と離職証明書をハローワークへ出すことになっています。退職の日から数えると、おおむね10日前後です。そのあとにハローワークの処理と郵送の日数が加わります。離職日から2週間たっても届かないときは、書面で会社に問い合わせるのが一つの目安です。
Q. 離職票がないと失業保険の手続きは何もできませんか?
受給手続きでは、求職の申込みと一緒に離職票-1・-2をハローワークに出します。離職票が手元にない間は、住居地のハローワークに状況を伝えて、何をいつまでに出せばよいかを聞いてください。会社が出さない場合や連絡がつかない場合に相談できる窓口が、ハローワークの案内に明記されています。
Q. 会社に「離職票はいらない」と言ってしまった気がします。もう取れませんか?
取れる道は残っています。離職者が離職票の交付を希望しないときは、会社は離職証明書を添えずに資格喪失届を出せますが、あとから離職票がほしいと分かった場合は、本人が会社に離職証明書の交付を求め、それを添えてハローワークに請求する仕組みがあります。59歳以上の人は、希望の有無にかかわらず離職証明書が添えられる扱いです。
出典・参考にした公的な情報
- 雇用保険の具体的な手続き(受給手続きの流れ・離職票が交付されない場合)(ハローワークインターネットサービス(厚生労働省))
- 雇用保険法施行規則 第7条・第8条・第16条・第17条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 雇用保険法 第7条・第8条・第9条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。