心と体のつらさ / 悩み整理

仕事を辞めたいほど眠れないとき:不眠が続く場合の受診の目安

この記事のもくじ
  1. 不眠が続くときの受診の目安:何日・どんな状態なら
  2. 医師に見せる睡眠の記録:1週間つけるだけでよい
  3. 今夜からできる工夫:上司のことが頭から離れない夜に
  4. 相談先と、眠れない状態で仕事を続けるか迷うとき

仕事を辞めたいほど悩んで眠れない夜が続き、日中のだるさや集中できない状態で生活に差し支えが出ているなら、受診を考える目安です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、生活を整えても眠れない、眠っても休めた感じがしないといった状態が続き、日中の生活に影響しているときは、速やかに医師に相談するよう勧めています。眠れないまま朝を迎えるのがつらい、誰かと話したいときは、仕事がつらい・限界のときの相談先の24時間の電話も使えます。

不眠が続くときの受診の目安:何日・どんな状態なら

睡眠ガイド2023は、不眠症を、眠る時間や環境が整っているのに、なかなか寝つけない(入眠困難)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚める(早朝覚醒)などが起こり、だるさや集中力の低下、仕事の効率の低下などの支障が出る病気と説明しています。そのうえで、不眠症はストレスをきっかけに起こることが多いこと、うつ病や不安症の初期症状や、一緒に起こる症状として現れることが多いことを挙げています。

こころの耳も、うつ病のサインとして気づきやすい睡眠の変化に、寝つきに30分以上かかる、途中で何度も目が覚める、朝早く目が覚めて悪い考えが浮かぶ、熟睡感がない、を挙げています。上司や仕事のことを考えて眠れない状態は、この中のどれかに当たることが多いはずです。

早見表:眠れない状態と、受診を考える目安
今の状態 考えること
嫌なことがあった日だけ眠れない 眠りの記録をつけて様子を見る。続けば受診を考える
寝つけない・夜中に起きる日が週の大半で続き、日中に眠気やだるさがある 精神科・心療内科か、かかりつけ医に相談する
眠れないことに加えて、気分の落ち込みや楽しめない状態が2週間ほど続く 眠りだけでなく心の状態も含めて受診で相談する
眠れないことへの不安で、夜が来るのが怖い 悪循環に入っている可能性がある。早めに受診する
死にたい、消えたいと考える 受診を待たず、その日のうちに電話の窓口へ

睡眠ガイド2023は、不眠が続くと、眠れないことへの不安や緊張、寝室への恐怖感が強くなり、ベッドで長く過ごして眠りを取り戻そうとする結果、かえって眠れない時間が増える悪循環に陥ると説明しています。「今夜も眠れなかったらどうしよう」と考える夜が増えてきたら、一人で立て直そうとせず、医師に相談する時期です。受診先の選び方と初診の準備はパワハラで心療内科を受診するとき:初診で伝えることと準備にまとめています。

医師に見せる睡眠の記録:1週間つけるだけでよい

受診のとき「眠れません」とだけ伝えるより、何時に布団に入り、どのくらいで眠れ、何回起きたかが分かると、医師は状態をつかみやすくなります。睡眠ガイド2023は、不眠症の人は実際に眠った時間より自分で感じる睡眠時間を短く見積もることがあると説明しており、記録を残すことで自分の眠りを落ち着いて見直す材料にもなります。

日付 布団に入った時刻 眠れたと思う時刻 夜中に起きた回数 起きた時刻 休めた感じ(◎○△×) その日の仕事の出来事
10/19(月) 23:30 2:00ごろ 3回 6:30 × 朝の会議で上司に1時間叱責された
10/20(火) 0:00 1:00ごろ 1回 6:30 △ 特になし

最後の列に、その日の出来事を一行だけ書いておくと、眠れない夜と職場の出来事のつながりが見えてきます。上の表の中身は書き方の例です。この記録は、受診のときに医師に見せる材料になるだけでなく、職場の出来事と体調の変化を後から確かめる資料にもなります。通院や服薬の記録の残し方はパワハラによる体調の変化を記録するで説明しています。

記録の読み方:何日分で何を見るか

記録は、日数によって見えることが違います。

記録の日数 見ること 医師に伝えること
3日分 寝つくまでの時間と夜中に起きた回数。嫌な出来事があった日に偏っているか 「寝つきに○分かかる日が3日中○日」
1週間分 休日と平日の違い。休めた感じが「×」の日が何日あるか 「平日だけ起きる回数が増える」「週に○日休めた感じがない」
2週間分 眠りの乱れが続いているか、日中の眠気やだるさが加わっているか。気分の落ち込みも同じ期間続いていないか 「2週間、週の大半で寝つけず、日中がつらい」

見るのは、睡眠時間の長さより、眠れない夜が週にどのくらいあるかと、平日と休日の差です。休日は眠れるのに平日の夜だけ乱れるなら、仕事との結びつきが強い手がかりになります。反対に、休日も眠れない状態が2週間続くなら、受診を前倒しする目安です。自分で眠る時間を削る調整は、医師に相談してから行ってください。

今夜からできる工夫:上司のことが頭から離れない夜に

受診までの間も、眠りを少しでも楽にする工夫はできます。厚生労働省の資料に沿って、効果が示されているものを並べます。

  1. 起きる時刻をそろえる。 こころの耳は、体内時計を整えるために朝は決まった時刻に起きて朝食をとることを勧めています。眠れなかった翌朝も、起きる時刻は大きく変えないようにします。
  2. 布団にいる時間を長くしすぎない。 睡眠ガイド2023は、眠れないまま布団で長く過ごすと悪循環になると説明しています。早く眠ろうとして早い時間から布団に入っても、すぐ寝つけるとは限りません。眠くなってから布団に入り、何分も眠れないときは一度起きて、明るすぎない場所で静かに過ごします。
  3. 寝酒をしない。 こころの耳は、お酒は寝つきを良くしても眠りを浅くし、早く目が覚めやすくなると説明しています。睡眠ガイド2023は、眠るために飲む寝酒はしないよう勧めています。
  4. 夕方からのカフェインと、寝床の明るさに気をつける。 こころの耳は、夕方以降はカフェインを避け、寝室の明るさは月明かり程度(3ルクス以下)にするよう勧めています。
  5. 仕事の通知を切る時刻を決める。 寝る前に上司からのメッセージを読むと、内容を考え続けてしまいます。何時以降は仕事の連絡を見ないと決め、スマートフォンの通知を切ります。

頭の中で上司の言葉が繰り返されて止まらないときは、紙に書き出して「明日の朝に考える」と区切る方法もあります。書いたものは、そのまま記録として残せます。

相談先と、眠れない状態で仕事を続けるか迷うとき

眠りの相談は、まず医療機関です。心の不調を診る精神科・心療内科のほか、ふだんかかっている内科の医師に相談して紹介を受ける方法もあります。会社に産業医や保健師がいれば、睡眠や働き方の相談ができます。気持ちを聞いてほしいときは、働く人向けのこころの耳が電話とLINEで相談を受けています。電話は非通知では受けていないため、番号の前に186を付けてかけます。

眠れない状態で働き続けると、日中の眠気やミスが増え、さらに眠れなくなるという流れになりがちです。医師から休んだほうがよいと言われたら、休む連絡や休職を考えてください。休む順番と、傷病手当金などお金の制度はパワハラでうつかもと思ったら:心身のサインと受診・休む順番にまとめています。朝に涙が出る人は仕事を辞めたい・涙が出るときを、出勤前に吐き気がする人は次の仕事を辞めたいほど吐き気がするとき:体のサインと受診先を読んでください。

よくある質問

Q. 眠れないときにお酒を飲んで寝るのはよくないですか?

厚生労働省の睡眠ガイド2023は、眠るために飲むお酒(寝酒)は睡眠の質を悪くする可能性があるとして、寝酒をしないよう勧めています。毎日寝酒を続けている場合は、急にやめずに少しずつ減らすか、医療機関で相談するよう書かれています。眠れない原因の不眠そのものを医師に相談するほうが近道です。

Q. 眠れないのは気持ちの問題なので、病院に行っても意味がない気がします。

睡眠ガイド2023は、不眠症はストレスがきっかけで起こることが多く、うつ病などの初期症状として現れることも多いと説明しています。その場合は不眠だけを直そうとしても十分に良くならないことがあるため、医師の助言を求めるよう勧めています。気持ちが原因だからこそ、受診して相談する意味があります。

Q. 上司からのメッセージが夜中に来て眠れません。

寝る前の時間は仕事の連絡を見ない、と自分で決めて、通知を切る方法があります。夜中に届いたメッセージは、日時と内容が分かる形で保存しておくと、後で働き方やパワハラの相談をするときの記録になります。返信が必要かどうかは翌朝に決めればかまいません。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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