会社を辞めたい理由を書き出す:仕事量・待遇・働き方の整理表
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会社を辞めたい理由が自分でもはっきりしないときは、頭の中で考え続けるより、紙に書き出して仕事量・待遇・人間関係・仕事内容・働き方の5つの箱に分けるのが近道です。分けると、「別の会社に移れば消える理由」なのか、「職種や働き方そのものを変えないと残る理由」なのかが見えてきます。この記事では、書き出しの手順と、理由ごとに次の動きを決める整理表を紹介します。
辞めたい理由がはっきりしないときは、まず5つの箱に分ける
「なんとなく辞めたい」と感じるとき、実際には小さな不満がいくつも重なっていることが多く、どれが中心か見分けがつかなくなっています。そこで、思いつく理由を次の5つの箱に振り分けます。
| 箱 | 入る理由の例 |
|---|---|
| 仕事量・時間 | 残業が多い、休日出勤、一人で抱える仕事が多すぎる、休みが取れない |
| 待遇 | 給料が上がらない、評価に納得できない、賞与や手当が少ない |
| 人間関係 | 上司が怖い、同僚と合わない、無視される、相談できる人がいない |
| 仕事内容 | 仕事が面白くない、向いていない気がする、聞いていた業務と違う |
| 働き方・生活 | 通勤が長い、転勤がある、夜勤やシフトがつらい、家庭と両立できない |
どの箱にも入らない理由(会社の将来が不安、やりたいことが別にある、など)は「その他」にまとめます。大事なのは、きれいに分けることではなく、自分の不満がどこに偏っているかを目で見ることです。
書き出しの手順:15分でできる理由の棚卸し
紙1枚かスマートフォンのメモで十分です。次の順で進めます。
- 5分間、思いつく理由をすべて書く。 「上司の口調がきつい」「月曜が憂うつ」など、言葉を選ばずに書きます
- 1つずつ5つの箱に振り分ける。 迷うものは両方の箱に入れてかまいません
- それぞれに「いつから」「どのくらいの頻度か」を足す。 「3か月前から・毎日」「入社時から・月1回」のように書きます
- 「これが無くなったら残れるか」に〇か×をつける。 〇がついた理由ほど、その職場で解決できる余地があります
- 一番重い理由に星をつける。 体調への影響が出ているものを優先します
4つ目の問いがこの作業の中心です。たとえば「残業が多い」に〇がつくなら、仕事量が減れば残れるということなので、上司への相談や異動で手を打てる可能性があります。全部に×がつく場合は、職場の一部ではなく会社や仕事そのものとの相性を考える段階です。
書き出しても「疲れているだけかもしれない」と迷う人は、休んで気持ちが戻るかどうかを先に確かめると判断がしやすくなります。その見分け方は仕事に疲れた・辞めたいときの見分け方で扱っています。
整理表:理由ごとに「職場を変えれば消えるか」を見分ける
5つの箱は、解決の仕方によって大きく2つに分かれます。会社や部署を変えれば消えやすい理由と、どこへ移っても形を変えて残りやすい理由です。
| 箱 | 職場を変えれば消えやすい例 | 働き方・職種を変えないと残りやすい例 | 最初に試せること |
|---|---|---|---|
| 仕事量・時間 | 人手不足の部署で残業が続く | 業界全体で長時間が当たり前の職種 | 業務量の相談、異動の希望、勤怠の記録 |
| 待遇 | 会社の給与水準が低い、評価制度が不透明 | 職種の賃金水準そのものが低い | 評価面談で基準を聞く、求人の相場を調べる |
| 人間関係 | 特定の上司・同僚が原因 | 人と接すること自体が強い負担 | 社内の相談窓口、異動、記録 |
| 仕事内容 | 担当業務が合わない、聞いていた業務と違う | 職種の中心となる作業が苦手 | 担当替えの相談、得意・苦手の書き出し |
| 働き方・生活 | 転勤・通勤距離・シフトの組み方 | 夜勤や土日勤務が前提の職種 | 勤務形態の変更の相談、家族との話し合い |
表の左側に多く当てはまる人は、同じ職種のまま会社を変える転職か、社内での異動が選択肢になります。右側に多い人は、職種や勤務形態を変える方向で考えたほうが、次の職場でも同じ悩みを繰り返しにくくなります。
人間関係の箱に理由が集まった人は、人間関係で仕事を辞めたいときの選び方で、相談の道と離れる道を比べてください。仕事内容の箱が中心で「向いていないのか、職場が悪いのか」が分からない人は、仕事が合わないから辞めたいときの分け方が役に立ちます。
辞める前に確かめたい理由:会社の側に原因があるとき
書き出した理由の中には、本人の向き不向きではなく、会社の扱いに原因があるものが混ざっていることがあります。次のような理由が星をつけた中にあるなら、辞める前に事実を記録し、相談先を確かめておくと後の選択肢が広がります。
- 聞いていた労働条件と実際が違う。 労働基準法第15条は、明示された労働条件が事実と違う場合、労働者は即時に労働契約を解除できると定めています。手元の労働条件通知書や雇用契約書と、実際の給与明細・勤務表を並べておきます
- 長い時間外労働が続いている。 ハローワークの「特定受給資格者」の範囲には、離職の直前6か月間に、いずれか連続する3か月で45時間、いずれか1か月で100時間などを超える時間外労働があったための離職が挙がっています。タイムカードの写しや、自分でつけた出退勤のメモを残します
- 賃金が期日までに払われない。 賃金の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかったことによる離職も、同じ範囲に挙がっています。給与明細と振込の記録を保管します
- 上司・同僚から嫌がらせを受けている。 上司・同僚等からの故意の排斥や著しい冷遇・嫌がらせによる離職も含まれます。日時・言葉・その場にいた人を書き留めます
これらに当たるかどうか、雇用保険でどう扱われるかを判断するのはハローワークです。記事の表で自己判断せず、記録を持って相談してください。辞めた後の失業保険の扱いはパワハラで退職したときの失業保険で、残業の記録の取り方はサービス残業の強要がつらいときで詳しく扱っています。入社前に聞いた条件と違うと感じる人は入社前と違う労働条件だったときを読んでください。
書き出した表の使い道:次の動きと、次の職場選び
整理表は、辞めるかどうかを決めた後も役に立ちます。
残ると決めた場合:〇がついた理由のうち一番重いものを1つ選び、上司や人事に相談する材料にします。「辞めたい」と伝えるのではなく、「残業が月に○時間あり、体調に影響が出ているので業務量を相談したい」と、事実と望むことを分けて話すと受け止められやすくなります。
相談の切り出し方の例:「仕事を続けたいと思っているので、相談させてください。この3か月、残業が続いていて、休日も疲れが抜けません。担当している○○の量について、見直せるか一緒に考えていただけないでしょうか。」
辞めると決めた場合:表の右側に入った理由は、次の職場選びの条件になります。「夜勤がない」「一人で抱えない体制がある」など、避けたい条件を求人票や面接で確かめる項目に書き換えておきます。面接で退職理由を聞かれたときも、表の言葉をそのまま使うのではなく、「次の職場で何を大事にしたいか」に言い換えると話しやすくなります。
辞める・休む・異動するのどれを選ぶか、全体の順番に戻りたいときは仕事を辞めたいとき最初にすること:辞める・休む・異動を比べる判断の順番を読んでください。「辞めたいと思う自分が弱いのでは」と感じて手が止まっている人は、会社を辞めたいのは甘え?迷うときに確かめたい5つの視点で、体・職場・将来の3つの面から整理できます。
よくある質問
Q. 辞めたい理由がたくさんあって、どれが一番か決められません。
全部に「いつから」「週に何回」を書き足すと、頻度の高いものと最近始まったものが浮き上がります。そのうえで「これが無くなったら残れるか」と一つずつ問い、残れると答えた理由が本当の中心です。答えが全部「残れない」なら、会社そのものが合っていない可能性が高いと考えます。
Q. 理由を書き出したら、大した理由ではない気がしてきました。
文字にすると小さく見えることはよくあります。ただ、体の不調や休日の気分の落ち込みが続いているなら、理由の大きさより体の反応のほうが判断の材料になります。理由は小さくても毎日続くなら負担は積み重なるので、1〜2週間ほど同じ表をつけ続けてから判断してください。
出典・参考にした公的な情報
- 労働基準法 第15条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(ハローワークインターネットサービス(厚生労働省))
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。