辞めたい・退職 / 基本ガイド

仕事を辞めたいとき最初にすること:辞める・休む・異動を比べる判断の順番

この記事のもくじ
  1. まず心と体の状態を確かめる:今決めなくていいか
  2. 辞めたい理由を書き出して、職場の問題か仕事の問題かを分ける
  3. 4つの選択肢を比べる:休む・異動・転職・退職
  4. 辞めると決めたときの順番:伝え方・退職日・手続き
  5. お金の見通し:辞めた後の収入と出ていくもの
  6. 次の仕事の探し方と、このハブの読み方

仕事を辞めたいと思ったら、「今すぐ辞める」か「我慢して続ける」かの二択で考える前に、心と体の状態→辞めたい理由→選択肢の比較→お金と手続きの順に確かめてください。眠れない、朝に涙が出るなど不調が出ているなら、辞めるかどうかを決めるより先に、休むことと受診が先です。退職そのものは、正社員なら民法上、申し入れてから2週間で雇用が終わる仕組みなので、決めてから動いても間に合います。

まず心と体の状態を確かめる:今決めなくていいか

辞めたい気持ちが強いときほど、判断の材料をそろえる余力が残っていないことがあります。最初に、自分がいまどの状態にいるかを見ます。

今の状態と、最初にすること
今の状態 最初にすること
消えたい、死にたいと考えてしまう 仕事の判断より先に、電話・LINEの相談窓口へ連絡する
眠れない、食べられない、出勤前に吐き気や動悸がある 受診して体を診てもらい、休むかどうかを医師と考える
体は動くが、毎朝つらく、休日も気持ちが戻らない 有給休暇などで数日休み、辞めたい理由を書き出す
落ち着いて考えられるが、職場を変えたい この記事の後半で選択肢と手順を比べる

表の上の2つに当てはまる人は、仕事がつらい・限界のときの相談先で電話やLINEの窓口を確かめてください。受診するか迷う人は心療内科に行くべきか迷うときに目安があります。疲れが原因かどうかを見分けたい人は、仕事に疲れた・辞めたいときの見分け方が役に立ちます。

不調が強いまま退職の話し合いに入ると、引き止めに押し切られがちです。休んで判断力を取り戻してから決めるほうが、結果的に早く進みます。

辞めたい理由を書き出して、職場の問題か仕事の問題かを分ける

次に、辞めたい理由を紙に書き出します。理由によって、効く手が変わるからです。

  1. 思いつく理由を、遠慮せずに全部書く(「上司が怖い」「給料が安い」「朝が早い」など)
  2. それぞれに「いつから」「どのくらいの頻度で」を書き足す
  3. 「会社を変えれば消える理由」と「どこへ行っても残りそうな理由」に印をつける

上司や同僚の言動が中心なら、パワーハラスメント(パワハラ)として相談できる場合があり、辞める前に打てる手も増えます。人間関係が中心の人は人間関係で仕事を辞めたいときの選び方、仕事内容が合わないと感じる人は仕事が合わないから辞めたいときの分け方を読んでください。理由そのものがはっきりしない人は、会社を辞めたい理由を書き出す整理表で分類の仕方を詳しく扱っています。

「辞めたいのは自分の弱さでは」と迷う人もいます。その迷いは会社を辞めたいのは甘え?迷うときに確かめたい5つの視点で、体・職場・将来の3つの面から整理できます。体験談を読み続けて決められないときは、ここで書き出した自分の理由に戻ってください。

4つの選択肢を比べる:休む・異動・転職・退職

辞めたい理由が見えたら、選択肢を並べて比べます。退職は選択肢の一つで、ほかの道と比べて選んだほうが後悔が少なくなります。

選択肢 向いている場面 先に確かめること
休む(有給休暇・休職) 心身の不調が強い、判断がつかない 就業規則の休職制度、健康保険の傷病手当金
異動・配置の変更 特定の人や部署が原因で、会社自体は続けたい 異動の希望を出す窓口、社内の相談窓口
在職中に転職活動 仕事内容・待遇・会社の将来が不満 転職活動に使える時間、応募の条件
退職してから探す 働き続けると体がもたない、時間が取れない 生活費の見通し、雇用保険と健康保険の手続き

休む道を考えるなら、会社の休職制度は法律ではなく就業規則で決まっているため、まず規程を読みます。業務外の病気で働けず給与が出ない(傷病手当金の額より少ない場合は差額が支給される)期間には、健康保険の傷病手当金という支えがあります。要件と金額の計算は休職中の傷病手当金にまとめました。休職を考える目安はパワハラで休職したいと思ったらで確かめられます。

異動は、原因が特定の上司や部署にあるときに効きます。パワハラが関わるなら、会社には相談に応じて適切に対応する体制を整える義務があり、引き離すための配置転換も対応の例として指針に挙がっています。希望の伝え方はパワハラで異動したいときで扱っています。

パワハラが原因で辞めるか迷っている人は、辞める前に記録や相談を済ませておくと後の選択肢が広がります。その準備はパワハラで退職するか迷うとき:辞める前に済ませておくことを読んでください。転職を考える人はパワハラで転職するときの進め方で、在職中に探すか辞めてから探すかを比べています。

辞めると決めたときの順番:伝え方・退職日・手続き

退職を選んだら、次の順で進めると漏れが減ります。

  1. 就業規則を読む:退職の申出時期、退職金の規程、貸与品の返し方を確かめる
  2. 有給休暇の残り日数を確かめる:給与明細か人事に聞く
  3. 退職日を決める:有給消化を含めて逆算する
  4. 退職の意思を伝える:口頭で伝え、日付が残るようにメールか書面でも出す
  5. 引き継ぎのメモを作る:担当業務・進行中の案件・連絡先を一覧にする
  6. 書類を受け取る:離職票、源泉徴収票、必要なら退職証明書

期間の定めのない雇用(正社員の多く)は、民法第627条1項により、退職の申入れから2週間を過ぎると雇用が終わります。会社の承諾は要件になっていません。就業規則に「1か月前」とある場合との関係や、契約社員など期間の定めがある場合の考え方は、退職は2週間で成立する?民法627条・628条で整理しています。

年次有給休暇について、労働基準法第39条が会社に認めているのは時季を変えることで、取らせないことではありません。退職証明書は、退職した人が請求すれば会社が遅滞なく交付する決まり(同法第22条)で、離職票とは別の書類です。伝え方の文例は退職の伝え方:上司への切り出し方と理由の言い方の例文にあります。

言い出せない理由が怖さなら退職を言い出せないときの伝え方で状況別に方法を選べます。強く引き止められたら退職の引き止めの断り方、「辞めさせない」と言われたら会社が退職させてくれないときに手順があります。内容証明郵便で退職届を送る方法と退職代行の費用と手間の違いは退職は自分で伝えるか退職代行を使うかで比べています。

お金の見通し:辞めた後の収入と出ていくもの

辞めた後の生活費は、多くの人が一番気にする点です。退職前に、入ってくるお金と出ていくお金を書き出しておきます。

入ってくるお金(雇用保険の基本手当):自己都合で辞めた場合、7日間の待期の後に給付制限がかかります。厚生労働省によると、2025年4月1日以降の離職では給付制限は原則1か月です(それ以前は原則2か月)。上司・同僚からの故意の排斥や著しい冷遇・嫌がらせを受けて辞めた人は、ハローワークの「特定受給資格者」の範囲に挙がっており、給付制限がかからない扱いになり得ます。判断するのはハローワークなので、記録を持って相談します。詳しくはパワハラで退職したときの失業保険を読んでください。会社が理由を自己都合にしたときは離職理由の異議とハローワークでの申し出、離職票が届かないときは離職票が届かないとき、受給の流れは失業保険の手続きの流れにあります。

体調不良で辞める場合:退職日まで継続して1年以上健康保険に入っていて、退職時に傷病手当金を受けている(または受けられる状態にある)なら、退職後も続けて受けられる仕組みがあります。療養中で働けない間は失業保険の対象にならないため、受給期間の延長と合わせて考えます。

出ていくお金:

  • 健康保険:会社の健康保険を任意継続するなら退職日の翌日から20日以内に申し出る。国民健康保険なら市区町村へ14日以内に届け出る
  • 国民年金:再就職しない20歳以上60歳未満の人は、退職日の翌日から14日以内に市区町村で切り替える。失業による保険料の特例免除もある
  • 住民税:前年の所得に対してかかるため、辞めた翌年も納める

健康保険の選び方は退職後の健康保険の選び方、手続きの全体は退職手続きのチェックリスト、退職の事実を示す書類は退職証明書の請求方法にまとめています。貯金が少なく踏み出せない人は仕事を辞めたいけどお金ないときを先に読んでください。

次の仕事の探し方と、このハブの読み方

次の仕事は、在職中に探すと収入が途切れず、辞めてから探すと面接の日程を組みやすく体も休められます。体力に余裕がない人は、無理に在職中の活動を詰め込まないほうが安全です。公的な窓口にはハローワークの職業相談があります。1人で決めきれないときは、公的なキャリア相談のほか、有料のキャリアコーチングという選択肢もあり、使う前に確かめたい点はキャリアコーチングとは?辞めるか迷うときに使う前に確かめることにまとめました。

どの道を選ぶにしても、職場で起きたことと体調の日付つき記録は残してください。休職・労災・失業保険・転職のどれでも説明の材料になります。状況に近い記事から読むときは、次の一覧を使ってください。

よくある質問

Q. 会社に「辞めさせない」と言われたら、退職できないのですか?

正社員など期間の定めのない雇用なら、民法第627条1項により、退職の申入れから2週間で雇用は終わり、会社の承諾は要件になっていません。契約社員など期間の定めがある場合は、民法第628条の「やむを得ない事由」が関わるため事情によって扱いが変わります。書面で意思を届ける手順は、会社が退職させてくれないときの記事にまとめています。

Q. 知恵袋などの「辞めてよかった」「辞めて後悔した」という声は参考になりますか?

気持ちの整理には役立ちますが、雇用形態・貯金・家族・体調が人によって違うため、結論をそのまま借りるのは危ういです。読むなら「その人が辞める前に何をしたか」に注目し、自分の判断は、この記事の順番で自分の事情を書き出してから決めてください。

Q. 辞める前に有給休暇を使い切ることはできますか?

労働基準法第39条で、会社ができるのは年休の時季を変えることで、取らせないことではありません。退職日までに残り日数しかない場合は、変更先の日がなくなるという理屈で取得が認められやすいと説明されますが、扱いは会社ごとに違うため、退職日から逆算して早めに申し出ておくのが現実的です。残り日数は給与明細や人事に確かめてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

会社を辞めたいのは甘え?迷うときに確かめたい5つの視点

会社を辞めたい理由を書き出す:仕事量・待遇・働き方の整理表

パワハラで退職するか迷うとき:辞める前に済ませておくこと

仕事を辞めたいけどお金ないとき:辞める前に確かめる制度と順番