辞めたい・退職 / 悩み整理

人間関係で仕事を辞めたいとき:異動・相談・転職の選び方

この記事のもくじ
  1. 人間関係で辞めたいとき、最初に分けたい3つの型
  2. パワハラやいじめに当たりうるかを見る手がかり
  3. 辞める前に使える相談の道
  4. 離れる選択肢を比べる:異動・転職・退職
  5. 人間関係を理由に転職するときの準備

人間関係で仕事を辞めたいときは、まず相性やすれ違いの問題なのか、特定の人からの攻撃やいじめなのかを分けてください。後者でパワーハラスメント(パワハラ)やいじめ・嫌がらせに当たりうる言動があるなら、辞める前に社内外で相談する道があり、会社には相談に応じる体制を整える義務があります。そのうえで、離れる選択肢として異動・転職・退職を比べると、自分に合う道を選びやすくなります。

人間関係で辞めたいとき、最初に分けたい3つの型

「人間関係がつらい」と一言でいっても、中身によって効く手が違います。自分の状況がどれに近いかを先に見ます。

型 よくある状況 主な手
① 相性・すれ違い 話し方が合わない、価値観が違う、雑談の輪に入れない 距離の取り方を変える、席や担当の調整を頼む
② 特定の人からの攻撃 怒鳴られる、人格を否定される、無視される、仕事を回してもらえない 記録して相談する、異動を求める
③ 職場全体の空気 陰口が当たり前、助け合いがない、ミスを責め合う 社内の相談、部署や会社を変える

①は、どちらかが悪いという話ではないことが多く、関わり方を少し変えるだけで楽になる場合があります。上司との関係がつらい人は、上司が辛いと感じるとき:相性の問題かパワハラかを分ける整理で3つのケースの分け方を扱っています。

②と③は、本人の努力だけでは変えにくい問題です。とくに②は、職場のルールや法律に沿って相談できる場合があるので、次の節で手がかりを確かめてください。

パワハラやいじめに当たりうるかを見る手がかり

厚生労働省のパワハラ指針は、職場のパワハラを、①優越的な関係を背景とした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの、の3つをすべて満たすものとしています。適正な業務指示や指導は当たらないとされています。

人間関係の悩みで見落とされやすいのが①です。「優越的な関係」は上司だけではなく、指針は次のような場合も例に挙げています。

  • 業務に必要な知識や豊富な経験を持ち、その人の協力がないと仕事が進まない同僚・部下
  • 抵抗や拒絶がしにくい、同僚・部下の集団

また、指針の6類型には「人間関係からの切り離し」があり、同僚が集団で無視をして職場で孤立させることが、当たると考えられる例として挙がっています。

自分の受けている言動が当たるかどうかを、ここで決める必要はありません。当たるかの判断は、事実を示して窓口や専門家に見てもらうものです。大切なのは、当たりうる言動があるなら、相談の道が開いていると知っておくことです。パワハラの3要素に当たらない嫌がらせでも、いじめ・嫌がらせとして相談でき、都道府県労働局のあっせん(個別労働関係紛争解決促進法の手続)につなげる道があります。パワハラに当たる場合は、労働局長の援助や調停(労働施策総合推進法)の対象です。考え方の詳細はパワハラとは?3要素と6類型・指導との境目、同僚が相手の場合は同僚からのパワハラへの対処、大人のいじめ全般は職場のいじめへの対処法を読んでください。

辞める前に使える相談の道

②③に当たる状況なら、辞める前に次の順で相談の道を試せます。辞めると決めている人にとっても、相談した記録は後で役に立ちます。

  1. 記録をつける。 日時、場所、相手の言葉や行動をそのまま、その場にいた人、自分の体調の変化を書きます。書き方はパワハラの記録の書き方に記入例があります
  2. 社内の相談窓口に相談する。 会社には、パワハラについて相談に応じ、適切に対応するための体制を整える義務があります(労働施策総合推進法第31条1項)。相談したことを理由とする解雇などの不利益な扱いは同条2項で禁じられています。窓口の使い方は社内のハラスメント相談窓口の使い方で確かめてください
  3. 異動を求める。 指針は、事実が確認できた場合の被害者への配慮の例として、引き離すための配置転換を挙げています。伝え方の文例はパワハラで異動したいときにあります
  4. 社外の窓口に相談する。 社内で動かない、社内では言いにくいときは、総合労働相談コーナーや都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。連絡先はパワハラの相談窓口一覧で探せます

相談したからといって、会社が何をするかは事案ごとに違います。それでも、相談の日付と会社の返答を残しておくと、異動・休職・退職・失業保険のどの場面でも経緯を説明する材料になります。

離れる選択肢を比べる:異動・転職・退職

相談しても状況が変わらない、または相手と同じ職場にいること自体がつらいときは、離れる道を比べます。

人間関係から離れる3つの道の比べ方
離れ方 合う状況 先に確かめる点
異動 原因が特定の人や部署にあり、会社の仕事や待遇には不満が少ない 異動先でも相手と関わる場面が残らないか、希望が通るまでの期間
在職中に転職 職場全体の空気が合わない、異動先がない小さな会社 心身に余裕があるか、活動の時間が取れるか
退職してから探す 体調が崩れている、相手と顔を合わせること自体が限界 生活費の見通し、雇用保険と健康保険の手続き

人間関係が原因でも、仕事内容や会社そのものは気に入っているなら、まず異動を考える価値があります。反対に、小さな会社で相手が社長や家族であるなど、異動先そのものがない場合は、転職を早めに視野に入れたほうが消耗を減らせます。

眠れない、出勤前に吐き気がするなど体に影響が出ているなら、どの道を選ぶにしても、先に休むことを考えてください。休職の目安はパワハラで休職したいと思ったらで確かめられます。

人間関係を理由に転職するときの準備

転職を選ぶときは、次の3つを準備しておくと、次の職場で同じ悩みを繰り返しにくくなります。

記録を持って出る。 上司・同僚等からの故意の排斥や著しい冷遇・嫌がらせを受けて辞めた場合は、ハローワークの「特定受給資格者」の範囲に挙がっています。当たるかを判断するのはハローワークなので、辞める前に記録を手元に保存しておきます。

次の職場で確かめたいことを書き出す。 「チームの人数」「教育担当がつくか」「相談窓口があるか」など、今の職場でつらかった点を裏返して質問の形にしておくと、面接や職場見学で確かめられます。

面接での伝え方を決めておく。 前の職場の人を悪く言うより、次の職場で大事にしたいことを中心に話します。

面接での言い方の例:「前職では、相談しにくい雰囲気の中で一人で抱える場面が多くありました。次の職場では、困ったときに声をかけ合えるチームで、周りと協力しながら成果を出したいと考えています。」

言い換えの例をもっと見たい人は転職理由が人間関係のとき:面接で伝わる言い換えの例文を読んでください。

求人探しや面接の準備を一人で進めるのが負担なら、転職支援サービスを使う方法もあります。

辞めるかどうか自体をまだ決めきれない人は、次に読む仕事を辞めたいけど辞められないときの判断表で迷いの理由ごとの対処を整理できます。全体の順番に戻るときは仕事を辞めたいとき最初にすること:辞める・休む・異動を比べる判断の順番へ。

子育てと両立しにくい職場の人間関係で悩む人は子育て中に仕事を辞めたいとき:両立の制度を使う・転職するの比較も読んでください。

よくある質問

Q. 職場の人間関係が理由で辞めるのは、転職で不利になりますか?

人間関係が理由であること自体より、面接で前の職場の人を責める話し方になるほうが受け止められにくい傾向があります。「チームで情報を共有しながら働ける環境を求めている」のように、次の職場で望むことに言い換えると伝わりやすくなります。言い換えの例は、転職理由が人間関係のときの記事にまとめています。

Q. 同僚からの嫌がらせでも、会社に相談してよいのですか?

相談してかまいません。厚生労働省の指針は、業務に必要な知識や経験を持つ同僚や、抵抗しにくい集団による言動も「優越的な関係」の例に挙げています。それに当たらない場合でも、いじめ・嫌がらせとして総合労働相談コーナーに相談できます。

Q. 異動を希望したら、かえって職場に居づらくなりませんか?

不安があるなら、異動の希望と一緒に「誰に、どこまで伝わるか」を相談の最初に確かめてください。パワハラの相談をしたことを理由とする解雇などの不利益な扱いは、労働施策総合推進法第31条2項で禁じられています。相談の日付と内容は、自分でも記録に残しておきます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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