新卒・1年目で会社を辞めたい:早期退職の判断材料と第二新卒の動き方
新卒・1年目で会社を辞めたいときの答えは、「辞める・続ける」を感情で決める前に、辞めた場合に失うもの(お金・制度)と、続けた場合に失うもの(心身・時間)を両方書き出して比べることです。早く辞めること自体は、民法の仕組みで退職を申し入れてから2週間で成立します(正社員など期間の定めがない場合)。しかし、1年目はお金の制度が使えない期間が多いため、辞め方に準備が要ります。
今すぐ休みたいほどつらいなら、先に会社を今すぐ辞めたいときの休む連絡の文例を使ってください。眠れない、食べられない状態が続くなら仕事がつらい・限界のときの相談先が先です。
辞める場合と続ける場合のリスクを並べる
次の表を、自分の状況に書き換えて使います。
| 観点 | 早く辞める場合 | 続ける場合 |
|---|---|---|
| お金 | 貯金が減る。失業給付は使えないことが多い | 給与は続く。ただし体調を崩すと医療費・休職が出る |
| 経歴 | 短期離職として説明が必要 | 1年・3年という区切りの職歴になる |
| 体調 | 休める。再発の不安は残る | 悪化すると回復に時間がかかる |
| 学べること | 身についた仕事が少ないまま移る | 基礎が身につく可能性。環境次第で何も残らないことも |
| 次の選択肢 | 第二新卒の求人に応募できる | 異動・配置換えを申し出る選択肢もある |
どちらにも傾けない人は、「期限つきで続ける」という第三の選択があります。たとえば「3か月後の○月○日に、体調と上司の対応を見直して決める」と日付を決めて、その間に求人を見ておきます。期限があると、毎日の「辞めたい」が、判断材料を集める作業に変わります。
仕事に就いて間もないのに辞めたいと感じるのは、甘えかどうかという視点ではなく、確かめる点を見つける視点で整理するほうが役に立ちます。その整理は会社を辞めたいのは甘え?にある5つの視点が使えます。
1年目に辞めると変わるお金と制度
1年目の退職で特に影響するのは、次の4つです。
- 雇用保険の基本手当:自己都合で辞める場合は、離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要です。1年未満では受給資格がありません。特定受給資格者または特定理由離職者と判断された場合は、離職日以前1年間に通算6か月以上で受給できます。パワハラで辞めた場合の確かめ方はパワハラで退職したときの失業保険にまとめています。
- 年次有給休暇:雇入れから6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤すると10日付与されます。入社6か月未満は付与がなく、退職日までの休みは欠勤になります。
- 傷病手当金:病気で働けない場合、健康保険から支給される制度です。在職中に休職して受けられます。退職後も受け続けるには、退職日まで継続して1年以上の被保険者期間があることや、退職日に出勤していないことなどが条件で、1年目の退職では届かないことが多くなります。休職を考えるなら、辞める前に使う選択肢があります。加入先の保険者に確かめてください。
- 健康保険と年金:退職後は、親の健康保険の被扶養者になれるか(収入などの基準は加入先で決まります)、国民健康保険に加入するか、被保険者期間が2か月以上あれば協会けんぽの任意継続を選ぶかを比べます。国民年金は、令和8年度で月17,920円です。
辞める前に、人事に「在籍期間と雇用保険の加入期間」を聞くか、給与明細で雇用保険料の控除を確認してください。手続きの全体は退職手続きのチェックリストにまとまっています。
3年以内離職率の数字と、その読み方
厚生労働省が2026年10月23日に公表した、令和5年3月卒業者の就職後3年以内の離職率は、大学卒31.2%、高校卒36.9%です。大卒は前年度から2.6ポイント、高卒は1.0ポイント低下しています。
この数字から言えるのは、同じ年に就職した大卒者のおよそ3人に1人弱(高卒では4割弱)が、3年以内に最初の会社を離れているという事実までです。辞めた人がその後どうなったか、満足したか、年収がどう変わったかは、この数字からは分かりません。「みんな辞めるから大丈夫」とも、「3年は続けないと負け」とも読めない数字だと考えてください。
数字の使い方は、親や周りに説明するときの前提にとどめます。自分の判断は、前の表に書き出した理由で決めます。
第二新卒として動くときの探し方と伝え方
「第二新卒」は、卒業後おおむね数年以内で、最初の職場を離れた人を指す呼び方として使われます。求人ごとに範囲が違うので、募集要項で応募資格を確かめます。国の指針では、事業主が、卒業後3年以内の既卒者が「新卒枠」に応募できるよう努めることを求められています。
公的な窓口は2つあります。
- 新卒応援ハローワーク:学生と卒業後おおむね3年以内の人が使える専門のハローワーク(全国56か所)
- わかものハローワーク:正社員就職を目指すフリーター等(おおむね35歳未満)を支援する専門窓口(全国21か所)。窓口ごとに年齢の基準が違う場合があるので、利用前に確認
民間の転職支援サービスには、20代・第二新卒向けに、面談と求人の紹介を受けるものがあります。使うときは、有料職業紹介の許可を受けているか、応募を断ったときの扱い、入社後のフォローの範囲を、公式の説明で確かめてください。
面接では、短期で辞めた理由を聞かれます。伝え方は「事実・学び・次に求める条件」の3点です。
面接での伝え方の例:「前職は入社8か月で退職しました。配属後に、入社前に聞いていた業務と大きく違う仕事が中心になり、会社に相談しましたが変更が難しいと言われました。そこで、〇〇の仕事に携わりたいという希望を整理し直し、御社に応募しました。」
前職への不満だけを並べず、確かめた事実、相談した行動、次の希望の順に話すと、聞く側が判断しやすくなります。パワハラが理由の場合の話し方はパワハラで辞めた第二新卒の転職で扱っています。
パワハラや条件の違いがあるときの動き方
新卒でパワハラを受けて辞めたいと感じているなら、辞める前に3つ動けます。
- 記録を残す:日時、場所、言われたこと、同席者を、その日のうちにメモします
- 公的な窓口に話す:総合労働相談コーナーなど。窓口ごとの違いはパワハラの相談窓口一覧で比べられます
- 退職を伝える方法を選ぶ:対面が難しければメールや郵送、退職代行もあります。退職の伝え方の例文から選べます
入社前に明示された労働条件が、実際と違う場合は別の道があります。労働基準法第15条2項により、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できます。違いがあるかは、労働条件通知書と実際の勤務を比べて確かめます。
次に読む入社2〜3年目で会社を辞めたいときは、少し経験を積んだ時期の棚卸しの記事です。試用期間中に辞めたい場合は試用期間中に会社を辞めたいときが近い内容です。
営業職でノルマや詰めがつらい人は、営業の仕事を辞めたい:ノルマと詰めがつらいときの整理に営業ならではの整理があります。
よくある質問
Q. 新卒で1年も続かずに辞めたら、一生の経歴に響きますか?
響き方は、辞めた事実より「理由と次の説明」で決まります。第二新卒を対象にした求人は多く、卒業後3年以内の既卒者を新卒枠で受け付けるよう努めることが、国の指針で事業主に求められています。ただし努力義務で、どの会社が対応するかは求人ごとに違います。応募前に、各社の募集要項で応募資格を確かめてください。
Q. 入社して半年で辞めると、失業保険はもらえますか?
自己都合で辞める場合、基本手当の受給には離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上必要です。入社半年では足りません。倒産や解雇のほか、上司の嫌がらせなどによる離職で特定受給資格者と判断された場合は、離職日以前1年間に6か月以上が要件になります。判断するのはハローワークです。
Q. 親や学校の先生に反対されています。どう考えればいいですか?
反対している人の心配を、「お金」「次の仕事」「体調」の3つに分けて聞くと、答えを準備しやすくなります。この記事の表で、辞める場合と続ける場合のリスクを両方書き出して見せると、感情論から数字の話に移せます。体調が崩れているなら、受診の話を先にしてください。
出典・参考にした公的な情報
- 新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)(厚生労働省)
- 新規学卒者などを募集する事業主向け・若者雇用促進法の指針(卒業後3年以内の既卒者の新卒枠での応募受付)(厚生労働省)
- 新卒応援ハローワーク(厚生労働省)
- わかものハローワーク(厚生労働省)
- 基本手当について(受給の要件)(厚生労働省)
- 労働基準法 第39条(年次有給休暇)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 傷病手当金について(全国健康保険協会(協会けんぽ))
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。